
【執筆者:福永 涼子】
銀行での渉外業務を経て、一人ひとりに合った資産づくりが必要と強く感じ、ファイナンシャルプランナーに転身。常に「私だったら、どうだろう?」という視点を持ち、等身大でのアドバイス&サポートを実施している。
お金がなかなか貯まらない…どうすればいい?

こんにちは、ファイナンシャルプランナーの福永涼子です。
皆さんは貯金をしっかりできていますか?
「貯金したいけど、なかなか貯まらない」という人は少なくないはず。
そこで、今回は20代の平均貯金額を【独身・既婚者】別にご紹介。
そして、24歳女性のリアルな相談事例をもとに、貯金方法についてアドバイスしていきます!
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20代ってどのくら貯金してるの?みんなの平均貯金額

そもそも20代はいくらくらい貯金しているものなのでしょうか。
相談事例の前に20代の平均貯金額を見ていきましょう。
ちなみに、貯金額については平均値と中央値を記載しています。
中央値とはデータを並べたときにちょうど中央にある値のことを言います。
・平均値:データを足し合わせ、データの個数で割った値
・中央値:データを小さい(または大きい)順に並べ、真ん中に来る値
平均値は極端な数値があるとそれに大きく影響されてしまうため、貯金額においては中央値も紹介しています。
【独身・既婚別】20代の貯金額の平均と中央値は?
金融広報中央委員会が令和元年に行った 『家計と金融行動に関する世論調査』(※)の「金融商品の保有額」(金融資産非保有世帯含む)によると、20代の平均貯金額は以下の通りでした。
【20代の金融資産保有額】
平均値 | 中央値 | |
単身世帯 | 106万円 | 5万円 |
2人以上世帯 | 165万円 | 71万円 |
上記の金額は預貯金だけでなく、貯蓄性のある生命保険、債券や株式、投資信託など金融商品を含めたものです。
平均値と中央値に大きな開きがあることから、しっかり貯金している人とそうでない人ではかなりの差があることが伺えます。
保有資産額は2人以上世帯の方が高いですが、これは共働きなど2人分の貯金を含めている場合もあるため。
また、2人以上世帯は預貯金の次に生命保険を多く保有していました。
これは、子どもがいることで学資保険などに加入していることが考えられます。
※出典
家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] (知るぽると)
家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] (知るぽると)
【相談】24歳一人暮らし。毎月ギリギリで貯金はボーナス頼り…

20代の平均貯金額がわかったところで、相談者のプロファイルを見ていきましょう。
・相談者
なつみさん(仮名)
女性/会社員/24歳
東京で一人暮らし(借家)
・相談内容
社会人になってから、貯金をしなければと漠然とは思っているのですが、お金の貯め方がわかりません。
毎月のお給料は残らないか、マイナス1~3万円くらいです。
そのため、貯金は夏と冬にでるボーナス2か月分のみ。
ボーナスはかろうじて貯蓄していますが、毎月の不足分を補ったり、まとまった支出の時には崩してしまっています。
どんなふうにすれば、毎月きちんと貯金できるようになるのでしょうか。
・家計収支データ

FPのアドバイス①毎月の収入を3つに整理して把握しよう

なつみさんは普通預金160万円で、20代の貯金の平均値や中央値から考えると、かなり貯金はできている方です。
しかし、毎月の家計はギリギリでボーナスをなんとか貯金している状態。
今のままだと、ボーナスが減ったときには貯金が全くできなくなってしまう可能性がありますから、家計をしっかり見直していく必要があります。
上手に貯金ができるようになるためには、まずは、お金の流れを把握することがポイント。
入ってきたお金(収入)を「使う」「貯める・増やす」「備える」の3つに整理(色分け)してみてください。
「使う」は、日々の生活費や趣味・旅行に使うお金。
「貯める・増やす」は、将来の結婚資金や、仮に子供を持った時の教育費、マイホーム購入資金など将来のために、コツコツ貯めて増やすお金。
「備える」は、病気や事故で予想外の出費や、働けなくなった時のための自分や家族の生活を守っていく緊急資金としてのお金。
毎月の収入を整理することで、手元にあるお金をただなんとなく使ってしまうということは、起こりにくくなるはずです。
毎月の支出の見直しも!毎月2万の貯金から始めよう
なつみさんの場合は、お金の色分けと並行して、毎月の支出をきちんと把握した上で支出の見直しをする必要もありそうです。
・携帯は低価格プランにできないか?
・ガス・電気・水道等の光熱費のムダ使いはないか?
雑費の中の使途不明なお金も要チェックです。
外食を月に数回でも減らしてみるのもいいですね。
「あれもこれも節約!」と、がんじがらめになることはありませんが、ちょっと意識することで変化が出てくるはずです。
ちなみに、金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(単身世帯)2018年」によると、なつみさんと同世代(20代)の単身世帯の方で手取り額からの貯蓄割合で多いのが、10~15%。
つまり、年間約45万~67万円の貯蓄額になります。
なつみさんの場合は、月々2万円+ボーナス20万~40万円の貯蓄をひとつの目安としてみるのも良いでしょう。
手取り額の20%の貯蓄(年間約90万円)が理想的です。
FPのアドバイス②貯め上手になるために目標を立てよう

幼い頃に、欲しいおもちゃや、本、文具などを買うために、お小遣いを頑張って貯めた経験はありませんか?
なつみさんの現在の貯蓄額を見ると、学生時代に一定の貯蓄が出来ていて、すばらしいと感じました。
当時、旅行や趣味、欲しい物など何かしら「これに使うため」という目的があったのではないでしょうか?
「いつまでに、何のために、どれくらいの金額を貯める!」と決めて取り組むだけでも、意外と上手に貯めていくことができます。
・結婚資金や旅行資金など(100万円)
・子供の教育資金、マイホーム資金(300~500万円)
・老後資金(2000万円)
このように、目標は目先のことでも、少し先の将来のことでも構いません。
ざっくりでOKなので、目的と使いたい時期、目標金額をイメージしてプランを立ててみましょう。
そして、それぞれのプランに合った貯め方を選ぶことも大事なポイント。
「ひたすら銀行預金で貯めるだけでいいのか?」ということですが、これについては、記事の後半で詳しくお話しします。
FPのアドバイス③強制的に貯める仕組みをつくろう

お金を貯めるには、「強制力」を活用することが大切です。
要は、なんらかの「しばり」を設けて、わざと貯め体質になるということ。
『支出の額は収入の額に達するまで膨張する』(パーキンソンの第2法則)という言葉があるように、お金があればあるように使ってしまうのが人間の性です。
「なんとなく貯める」では、なかなか貯まりません。
なつみさんは今の収入でギリギリの生活をされているとのことですが、例えば月の収入が35万円、40万円と増えても、今と同じお金の使い方を続けていると、おそらく同じようにギリギリの生活になるでしょう。
そうならないために、強制的に貯める仕組みを今から取り入れておくことで、収入が変わっても一定の貯蓄を継続していくことができるようになります。
貯める仕組みの代表的な例として、毎月給与天引きで積み立てていく財形貯蓄や積み立て預金のような先取り貯蓄法があります。
家計のご相談を受ける中でこの手法を活用している方は、貯蓄額が大きい傾向があります。
私の知人には銀行預金のキャッシュカードを破棄して、わざと引き出し手続きが面倒な状況を作ってお金が貯まるようにしているという方もいました。
そうすることで、知らないうちに貯まっているとのことです。
いずれにしても、「預ける時は簡単(自動的)に、引き出すときは面倒に」の仕組みをぜひ取り入れてみてください。
FPのアドバイス④時間を見方に!つみたて投資を活用しよう

お金の流れの整理と貯める目標が決まったら、いよいよどんな手段で貯めていくかを具体的に決めなければいけません。
直近で使う目的なら預貯金でしっかり貯めていきたいですが、少し先の将来のために準備したいお金は、預貯金が良いとは言えません。
というのも、預貯金ではほぼ利息がつかないため。
もっと有効な手段があります。
それは、国も推奨している「つみたて投資」です。
「えっ、投資なんて私にはムリ!」と思うかもしれませんが、「つみたて投資」は、いわゆるギャンブルとはまったく違う投資のひとつ。
毎月コツコツと国内外の株式や債券を買って(投資して)貯めていきますが、少額からでき、長い期間続ければ続けるほど、一定のプラス効果を得られる可能性が高くなる手法です。
2017年の金融庁資料の中に、国内外の株式・債券に分散してつみたて投資を20年間続けた場合、投資収益率が2~8%(年率)に収まる、と過去のデータを用いて示しています(絶対そうなると断言しているわけではありません)が、「つみたて投資」は時間を味方につけることで、成果を出しやすい手法であるとは言えます。
確定拠出年金(企業型DC・iDeCo)や積立NISAといった、国が推奨する「つみたて投資」の制度を、まずは確認してみてはいかがでしょうか。
人生100年時代と言われる今、なつみさんはまだ人生の早朝を迎えたところです。
ぜひ、今できることからスタートして、時間をしっかりと味方につけながら、これからの生活を豊かなものにしてくださいね!
貯金や家計の見直しなど気軽にプロに相談してみよう

今回は貯金方法について、ファイナンシャルプランナーの福永さんにアドバイスしてもらいました。
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