4.切り替える前に、つみたて(積立)NISAのデメリットを再確認

一般NISAからつみたてNISAへの切り替え、あるいはつみたてNISA口座の新規開設を検討するにあたり、つみたてNISAのデメリットをあらためて確認しておきましょう。

【デメリット1】元本割れになることがある

つみたてNISAの対象商品は金融庁によって選定された、比較的リスクの低い長期運用に適した銘柄です。とはいえ投資商品には値動きがあるので、市場の動向によっては元本割れになる場合があります。リスクの少ない運用を目指すなら、日経平均株価指数やTOPIX指数などに連動した運用を目指す「インデックスファンド」を選ぶとよいでしょう。

【デメリット2】扱う銘柄が金融機関によって決まっている

つみたてNISAで扱う銘柄は金融機関によって決まっています。大手ネット証券会社の取り扱い本数は150~160本を数えるので、それくらいの本数があれば自分の投資方針に合った商品を見つけることができるでしょう。しかし、証券会社によっては取扱商品数が10~30本台の会社もあります。

銀行はさらに少なく、最大手の三菱UFJ銀行の場合で取扱商品数は12本です。投資信託を対象にした積立制度なので、専門の証券会社のほうがラインアップは充実していると考えられます。

【デメリット3】非課税投資枠の持ち越しはできない

つみたてNISAの非課税投資枠は年間40万円ですが、枠内で買い付けた投資信託などを売却したとしても、その金額分を再利用できるわけではありません。また、30万円しか使わなかったとしても、次年度に10万円を持ち越すことはできません。無理な投資は控えなくてはいけませんが、なるべく非課税枠を残さず使うようにするのが理想です。

【デメリット4】再投資分が購入とみなされる

投資信託などの分配金を再投資(複利運用)する場合は、新たに購入したものとみなされます。したがって、年間の非課税限度枠ぎりぎりまで購入する場合には注意が必要です。

たとえば、つみたてNISAの年間非課税限度枠は40万円なので、月あたりの買い付け限度額は40万円÷12で3万3,333円になります。すべて買い付けると、年間の総買い付け額は39万9,996円になります。しかし、その間仮に500円でも分配金を受け取って自動的に再投資になると、その分は新規で買い付けたことになるのです。金融機関によっては、最後の12月分のみ買い付けできずに終わるケースもあります。あらかじめ分配金の額を調べて、積立額を決めるようにしたほうが無難です。

5.つみたてNISAで注目の証券会社5選

数ある証券会社のなかから、手数料が無料で、つみたてNISA取扱商品の多いネット証券5社を紹介します。

▽つみたてNISA取扱商品の多いネット証券

取扱本数 信託報酬 売買の手数料 最低購入額
SBI証券 172本 銘柄により異なる 無料 100円
楽天証券 170本 銘柄により異なる 無料 100円
マネックス証券 151 本 インデックス型国内 0.50%以下
インデックス型海外 0.75%以下
インデックス以外国内 1.00%以下
インデックス以外海外 1.50%以下
無料 100円
auカブコム証券 155本 銘柄により異なる 無料 100円
松井証券 161本 銘柄により異なる 無料 100円

SBI証券

SBI証券はネット証券最大手で、つみたてNISAで最も多い172本の商品を取り扱っています。172本の商品を、リスクを減らしながらコツコツと運用する「コツコツ草食系」(低コストインデックスファンドシリーズ、バランス型ファンド)と、しっかりリターンを狙っていく「しっかり肉食系」(アクティブファンド)に分けてラインアップしています。積立コースは、「毎営業日」「毎週月~金」「毎月好きな日付」の3つから選べます。

楽天証券

楽天証券は、楽天銀行のサービス「マネーブリッジ」とリンクさせることができます。リンクさせると、スピーディに入出金できる、取引に応じて楽天スーパーポイントが貯まる、楽天銀行の普通預金金利が5倍になるなどのメリットがあります。つみたてNISAでも、引落口座を楽天カードクレジット払いに設定すれば、決済額100円につき楽天スーパーポイントが1ポイント付与されます。また、貯めた楽天スーパーポイントを使って投資信託の積立をすることができます。

マネックス証券

マネックス証券は信託報酬が銘柄ごとではなく、類型別の4種類に設定されているのが特徴です。顧客が指定した金融機関から、月1回指定金額をマネックス証券の口座に自動的に入金されるサービスがあります。また、投資信託の保有残高により、Amazonギフト券などと交換できるマネックスポイントが付与されます。

auカブコム証券

auカブコム証券には、「NISA割」というユニークなサービスがあります。NISA口座を持っていると、通常の現物株取引の手数料が5%割引になるという仕組みです。社名の通り、KDDIと提携しており、au WALLETアプリの「au資産運用」で、つみたてNISAを行うことも可能です。スマホを使った今後の展開に期待が持てる証券会社といえます。

松井証券

松井証券はロボアドバイザーが最適な資産の組み合わせを提案する、「投信工房」というサービスも提供しています。また、スマホの「投信アプリ」を使って投資信託を購入することが可能です。投資信託の保有で現金またはポイントがもらえる「ポイントプログラム」もあります。

まとめ:つみたてNISAへの変更はデメリットを確認した上で実行を。証券会社は売買手数料が無料で、取扱商品の多いネット証券がおすすめ

この記事では、一般NISAからつみたてNISAへ切り替える方法、注意点、切り替えるのに向いている人、つみたてNISAのメリットデメリット、そしておすすめの証券会社などについて説明しました。

NISA口座は、1年ごとに金融機関を変更することが可能で、一般NISAからつみたてNISAへの切り替えもできます。長期投資による堅実な資産形成を考えている方は、つみたてNISAへの切り替えを検討する価値はあるでしょう。

ここで紹介したネット証券5社は、いずれも手数料なしで100円から積立投資ができます。将来のための資産運用としてつみたてNISAを検討してみてはいかがでしょうか。

※この記事は2020年12月20日現在の情報をもとに構成しています。サービス内容は変更になる場合がありますので、口座開設の際は最新の情報をご確認ください。

文・丸山 優太郎
日本大学法学部新聞学科卒業。おもに企業系サイトで執筆。金融・経済・不動産系記事を中心に、社会情勢や経済動向を分析したトレンド記事を発信している。

提供・ANA Financial Journal

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