私はブライダルの世界に恋をして、まだまだやりたいことがたくさんある

私にとっての仕事とは、もう人生そのものでしょうね。何しろ全くのゼロからブライダルの事業を始めて、50年以上この世界にいますから。

ウエディングドレス普及の立役者・桂由美さん――50年働き続けた原動力は「ブライダルへの恋心」
(画像=『Woman type』より引用)

私は学校法人の経営とブライダルの仕事の2つをやっていたわけですけど、母からは「両立がうまくいかないなら学校法人を優先しなさい」と言われていたんです。学校法人は潰れてしまったらもう一度やるのは難しい。だから、もしもの時はブライダルを諦めなさいっていうのが、母の遺言でもあったんです。

だから必死で2つを両立させてきましたが、要するに私は学校法人の経営だけでは満足できなかったんですね。大好きなウエディングドレスをデザインして、良いものをお客さまにお渡しして、お客さまが喜んでくれる。その瞬間が何よりも好きなんです。

だから私は社員を採用する時、「あなたは本当にブライダルが大好きなの?」って聞くんです。

というのも、私たちにとっては毎日いろんなウエディングドレスを届ける仕事だけれど、着る人にとっては一生に一度の晴れ舞台。失敗は絶対に許されないし、普通のお洋服と違って「次はこうしましょう」はないわけです。だからこそ、自分や家族の結婚式であるかのように、一人一人のお客さまに対して心配りをしなければいけません。

ウエディングドレス普及の立役者・桂由美さん――50年働き続けた原動力は「ブライダルへの恋心」
(画像=『Woman type』より引用)

私は常に「顧客ファースト」を掲げて、お客さまのために良いと思ったことは大体やってきました。そういうことを積み重ねてきた人生でしたけど、良い人ぶっているつもりは全くないんです。私にとっては「人のために頑張る」のが自然なことで、だからウエディングの仕事も向いていたんだと思います。うちの社員も、お客さまが式の写真を見せてくださった時なんか、本当に嬉しそうですよ。自分の妹の結婚式の写真を見ているかのように、飛び上がって喜んでいます。

ですから、若い皆さんには、ぜひ大好きな仕事を見つけてほしいと思います。もちろん、「私はこの道で生きていく」っていう自分の道はすぐに見つかるものではないかもしれません。20代の頃は迷って当たり前です。私も演劇とファッション、どちらの道に進むかで悩みましたしね。それはもう、いくらでも迷ったらいい。

でも、「これだ!」っていうものを見つけたら、その一筋の道を極めることです。一生の仕事だと思って、情熱を持って取り組めれば、結果として誰かのためになったり世の中に役立ったりして、それが自分の喜びになります。そのためなら少しくらい苦しいことやつらいことがあっても乗り越えられるものです。

「これが自分の務めだから」とやりたくないことを無理にやるのでも、会社の将来性やお給料を優先するのでもなく、それをやることで自分が嬉しくてたまらなくなるような仕事をしてほしい。つまり、「恋をするように仕事をしなさい」っていうことですね。

私はブライダルの世界に恋をして、まだまだやりたいことがたくさんあります。これからもブライダル一筋で、夢中で仕事をしていきたいですね。

ウエディングドレス普及の立役者・桂由美さん――50年働き続けた原動力は「ブライダルへの恋心」
(画像=『Woman type』より引用)


提供・働く女のワーク&ライフマガジン『Woman type』(長く仕事を続けたい女性に役立つ、キャリア・働き方・生き方の知恵を発信中)

【こちらの記事も読まれています】
年収400万円以上稼ぐ女がしている3つのこと
性格別!年収アップ方法とは?
自分ブランドを作るために大切なこと
クセのある上司への「的確な」対処法とは
給付金がもらえる人気の資格6選