今日も変なシーンから始まりましたねえ。なんだかんだで紙芝居を作ることになった嵩(北村匠海)と健ちゃん(高橋文哉)。昨日あっさりゴーとなった線画の塗り作業をしています。
『あんぱん』こいつに『アンパンマン』が描けるのか
そこに上官が現れ「おい、いつまでかかっておる」と背後から話しかけると、嵩はすぐさま振り返って「朝までに間に合わせます」と答えます。
上官が去ると健ちゃんが嵩を「伍長殿」と呼んで、嵩が「誰もいないときは伍長殿はやめてくれ」と返して、「島の色は健ちゃんに任せる」という。
確かこの紙芝居は「双子の島」というタイトルで、島が舞台だ。島が舞台の紙芝居なら複数枚にわたって島が登場するはずで、その島の色は統一されてなきゃ、おかしなことになるよね。
このやり取りで、嵩、全然この作品にこだわりがないんだなと感じていると、今度は健ちゃんをシカトし始める。
「柳井くんは昔からそげんやったもんねえ、絵ば描き出したらいくら話しかけても聞こえんちゃもん」
まず柳井くんが昔からそげんやったことだって初耳だし、さっき聞こえてたろ上官の声が。上官には反応して健ちゃんをシカトするならそれは「夢中になっている」「没頭している」のではなく、単に相手によって態度を変えているだけだし、単独ではなく共同作業であって、この構図は漫画家とアシスタントという関係なんだから、自分の塗りに没頭してアシに的確な指示が出せないなら、いい作品が完成するとも思えないんだよな。昨日も言ったけど、こいつが『アンパンマン』を描くとして全然読みたいと思えない。
なんか北村匠海が登場した第3週から、嵩という人物が「絵を描く」シーンが適当で場当たり的なんだよな。いろいろ問題があっても「絵を描く」という行為がドラマの中心に屹立してさえいれば信用できるんだけど、NHK朝の連続テレビ小説『あんぱん』における嵩にとっての「絵を描く」という行為は物語の都合によって出し入れされるだけの単なる趣味程度のものになってる。「絵を描いているときだけ落ち着く」とかセリフだけで説明されたり、今回みたいに急に「話しかけても聞こえない」みたいな設定を持ち出したり、この行為についての描写がブレてるから、嵩の「絵を描く」に魂が入っているように見えないんです。タッチもコロコロ変わるし。