結婚して仕事を辞めたらお金の問題はどうなる?

(写真=SimplyDay/Shutterstock.com)

仕事を辞めるということは、その分の収入がなくなるということです。仕事を辞めたら、子どもが生まれた場合の教育費や住まいにかかる費用、老後資金などお金の問題は大丈夫か心配な人も多いでしょう。

今回は、ファイナンシャル・プランナーであり、FPリファイン代表の田中友加さんに、結婚を機に仕事を辞めることについて説明していただきました。
 

――ファイナンシャル・プランナーの視点で結婚を機に仕事を辞めることのメリットをどう考えますか?

 
税金の面でのメリットとしては、夫の収入が1220万円以下なら扶養に入ることで、夫の所得から「配偶者控除」や「配偶者特別控除」ができるため、夫の所得税が減ることで手取額が増えます。健康保険料・年金保険料についても夫が会社員であれば、扶養に入ることで妻自身が働いている場合に支払うべき妻の健康保険料と年金の負担がなくなります。
 

――デメリットは?

 
デメリットとしては、収入が夫からのみとなってしまうことではないでしょうか。

夫の収入が毎月の生活費に対してある程度余裕のある金額なら安心ですが、そうでない場合、今後子どもを授かることを希望していれば教育費、住宅購入を検討しているなら頭金の用意やその後の住宅ローンを返済し続けていくこと、さらにそれらと並行して老後資金の準備もしていかなければなりません。

そのため、月々の収支に余裕がないと、将来のマネープランについて不安がつきまとうことにもなりかねません。

また、妻が働いていた場合、出産の際に仕事を休んだ期間(産前42日間・産後56日間)はそれまでの月収の約3分の2の額が健康保険から支給されます。

産後56日を過ぎても引き続き育児休業を取得する場合は、子どもが1歳または1歳2カ月(パパ・ママ育休プラス制度を活用した場合)まで雇用保険から給付金が支給されます。支給額は、育児休業を開始してから180日目までは月収の約67%、181日目からは約50%となります。

妻がケガや病気で続けて3日以上仕事を休んだときは、1年6カ月間は月収の約3分の2の額が支給されます。さらに、社会保険の扶養に入ることで、年金保険料の負担がなくなるとはいえ、年金が国民年金のみとなるため、働いて厚生年金に加入している場合と比べて、将来の年金受給額も減ってしまいます。