持つべきものは、頼れるメンター!
「後輩たちへ」

長く仕事は続けていきたい。でも、どんな仕事が自分に合っているのか、そもそもどんな人生を送りたいのか、自分のありたい姿が明確にならない女性も多いはず――。そこでこの連載では、さまざまな人生経験を積んできた『Mentor For』のメンターたちが、“豊かなキャリア”を描いていくためのヒントを後輩女性に向けて送ります

こんにちは。『Mentor For』の公式メンター、安藤知子です。日米欧の企業でマーケティングと人事、マネジメントを経験したワーキングマザーです。現在はメンター、コーチ、人事コンサルタント、企業役員として、より多様性に富んだ社会の実現を目指して活動しています。

その中で、「マネジメントの中でも、上級管理職(部長以上)を経験して良かったことは何ですか?」と後輩女性から聞かれることがあります。よく聞かれる質問なので、今日はこの点について私なりの回答を書いてみたいと思います。

責任も大きいし、重圧を感じる時もある。
それでも、マネジメントの仕事が魅力的な理由

現代女性のキャリアは「ジャングルジム型」どこに進むか自分で決めて、仕事人生を楽しもう
(画像=『Woman type』より引用)

私は、中間管理職を経て、副社長・本部長というポジションを経験しました。シニアなポジションに就くということは、人や組織との関わりがますます広く深くなり、自分が見渡せる景色もより俯瞰的なものに変わることを意味します。例えてみると、山に登って頂上に向かうほど、ふと周りを見たときによりいっそう広い世界が見えるのと似ています。

また、見据える未来も1週間後、1カ月後というレベルではなく、数年後、場合によっては10年以上先の遠い未来を見据えるようになっていきます。

そして、一人ではできないスケールの仕事を、さまざまな人達と協働して達成し、結果としてより多くの人の役に立つことができるようになるのもシニアポジションで働く魅力です。

一方で、責任が増せば「大変なこと」もたくさんあります。マネジメントポジションにいる人に期待される重要な職務の一つは、意思決定をすることです。ビジネスの課題に「正解」は一つではないし、意思決定をするために必要な情報が揃っていないこともよくあります。それでも、決断し、前に進んでいかなければいけない時があります。自分の判断に対する不安や、意思決定をすることに重圧がないと言ったら嘘になるでしょう。日々、闘いです。

そんなに大変なら、なんでやるの?

そんなのやりたくないなと思う方もいらっしゃるかもしれませんね。でも、考えてみてください。やりがいと「大変なこと」はセットではないですか?

皆さんの今までの人生で、一番やりがいを感じた時のことを思い出してください。そこには、人知れず涙しながら努力したことや、ピンチを前に仲間と知恵を出し合ったこと……、そんな「大変なこと」がありませんでしたか?

振り返ってみると、私は岐路に立った時に、より広い世界を見られる道に進んできたような気がします。要は、「大変なこと」、つまりチャレンジの匂いがする方に進んできたのです。

中間管理職の時代には、異なるさまざまな意見を持つ人たちを調整し、まとめるスキルが身に付きました。その後、副社長・本部長という立場では、より多面的なリーダーシップの表現を学べたと思います。人に対しては、優しくも厳しく。仕事は情熱的かつ冷静に。事業には一貫性と柔軟性を持って取り組み、慎重かつ大胆に……。一見すると対極にあるような価値観を同時に満たすことが常に求められていました。

ビジネスを動かそうとする時、全ての人に賛成してもらうことは難しいもの。でも、賛成してもらえないからと怯んでいては、いつまでたっても前に進めません。もともと人と対立することなく物事を穏やかに進めることを好んでいた私にとって、管理職として過ごした日々は、まさに「新しい自分を探求する毎日」でした。