10月27日(土)、東京都の株式会社ZUU本社で「会いに行けるお金の専門家 Moneylist(マネリスト)ワークショップ#01」が開催されました。柔らかな秋の日が差す中、働く女性8人が「経済学」のワークに取り組みました。

経済学と聞くと「難しそう」と思う人もいるかもしれませんが、この日は「ディズニーランドの入場料金」「企業の不祥事」など身近な例を元に、楽しく、経済学に親しみました。本記事ではその様子をリポートします。

意識の高い女性が大集合

(写真=森口新太郎撮影)

ワークショップは2部に分けて行われ、第1部ではあらかじめ用意されたワークをグループごとにディスカッションし、第2部で講師であるエコノミストの崔真淑さんがワークについて解説しました。

参加者8人がAとBの2グループに分かれてディスカッションがスタート。初対面の人たちが集まるこのようなワークショップでは活発な意見が交わされることは難しいものですが、さすが「Money力を身につける」という目標を掲げた意識の高い女性が集まっているだけあって、制限時間8分の間で大いに盛り上がりました。

なぜ上場企業では不祥事が起きるのか?話し合う

(写真=森口新太郎撮影)

この日行われた中でも「上場企業でなぜ不祥事が起きるのか?」という問いは、最近ニュースで企業の不祥事が多く報道されていることや、参加者のほとんどがワーキングウーマンだということもあってか、かなり関心の高いワークだったようです。

Aチームは3つの理由を具体的に挙げました。一つ目は現場単位のチェックがおろそかになっていること、二つ目は上層部からの圧力で目先の利益にとらわれてしまうこと、三つ目に社員同士が対話する機会が少ないということ。

Bチームは、上場企業に限らずどんな企業でも不祥事は起こりうるということを取り上げ、上場企業に関しては世の中の注目度が高いため、隠ぺいする傾向が強くなるのではないかと分析しました。

キーワードは「情報の非対称性」

(写真=森口新太郎撮影)

このワークのポイントとなるワードは「情報の非対称性」。崔さんは株式会社の欠点が「情報の非対称性」にあることを指摘しました。

「そもそも株式会社とは誰のものでしょうか?」

崔さんは、株式会社とは、経営スキルはないけれどお金を持っている人(株主)と、お金はないけれど経営をしたい人(経営者)をマッチングさせる仕組みであると説明。つまり、上場している会社は、出資した株主と企業の経営陣が別の人であることになります。

もし業績が悪かった場合、経営陣は「業績が株主にバレたら自分の年収が下がってしまうから、粉飾決算をしてしまおう」と考えてしまうケースもあります。ここで粉飾決算がバレないようできてしまうのは、経営陣が株主よりも企業の内部情報をよく知っているためです。つまり株主と経営陣が持つ情報量が対称ではないため、不祥事が起こりやすくなってしまうのです。

崔さんは不祥事の種を持っていない会社を見抜くコツを社外取締役にあると紹介しました。現在、上場企業には社外取締役を置くことが実質義務付けられているため、どんな人が社外取締役に就任しているかというところをチェックすると、その会社の姿勢が見えてくる場合があるのだということです。