スタバはないが砂場ならある! という当時の知事の発言が話題になった鳥取県。スターバックスが最後に進出した県としてすっかり有名になりました。知事に「砂場」と言われた鳥取砂丘で有名な鳥取県は、実はかわいい方言の宝庫です。鳥取弁の面白い方言をご紹介します。
【鳥取の方言】鳥取弁の種類と特徴
鳥取県は中国地方の日本海側にあり、山陰地方に位置しています。市の数が4つ、人口も最も少ない県ですが、自然に恵まれ、歴史もあります。鳥取弁は、東部、西部、中部によってその方言にも違いがあります。
鳥取弁は大きく分けて3種類
鳥取県は東部地区、中部地区、西部地区のそれぞれで方言が分類されています。鳥取弁は東部で主に使われ、『因州(いんしゅうべん)弁』とも呼ばれます。3つの中では一番標準語に近い言い方が多いです。岡山県や兵庫県北部でも同じような方言がみられます。県西部にかけて使われる米子弁は『雲伯(うんぱく)方言』とも言われ、『~けん』などで終わる語尾があります。
相槌の『あげ、そげ、こげ』は『ああです、そうです、こうです』の意味ですが、冗談で出雲地方の三段活用などと言われるほど有名です。中部の倉吉市など伯耆地方東部で使われる倉吉弁は『伯耆(ほうき)方言』とも言われ、語尾の『~だで』『しぇ』などが特徴的です。『高い』を『たきゃあ』、『長い』を『なぎゃあ』と発音するなど、連母音「ai」の融合が見られます。
鳥取弁の特徴3つ
鳥取弁は、イントネーション、語尾、お断りの言葉の3つに大きな特徴があります。イントネーションは全体的に穏やかでゆったりしており、やや低めです。語尾に特徴的な「~だけぇ」「~だへん」をつけ、だめなときは「いけん」とはっきり言い切るのが鳥取弁の特徴です。
鳥取弁で『あいさつ』や『ありがとう』を伝える時は?
鳥取弁で「ありがとう」は「だんだん」と言います。ドラマのタイトルにもなりました。「だんだん、だんだん」と続けることもあります。誰かのお宅を訪問したときは「ごめんなんせえ」「ごめんなんしてなあ」です。「こんばんは」は「ばんなりまして」といいます。
【鳥取弁】他県民に通じない・笑われる方言10選
他県の人にはちょっと意味が通じない、面白い方言をご紹介します。鳥取弁は、パッと聞いただけでは意味がわからないけれども、ゆったりとしたイントネーションで愛嬌のある方言が多いのです。鳥取弁の中でも面白いフレーズを10個ご紹介します。なお、倉吉弁では『せ』と発音すべきところ、『しぇ』となる言葉があるのが特徴的です。
①『だんだん』
標準語でありがとうの意味です。感謝の気持ちを表してお礼を言うときに使います。
例文『ああー、だんだん、だんだん』 標準語『ありがとう、ありがとう』
②『ようこそ』
標準語では、『だんだん』と同じく『ありがとう』の意味です。
例文『今日はわざわざ来てごしなってようこそなぁ』 標準語『今日はわざわざ来てくれてありがとう』
③『わったい(な)』
標準語では「びっくりした!」「すごい!」などの意味として使われます。
例文『わったいなー!』 標準語「びっくりした!」
④『しらしらする』
標準語では、なんとなくムカムカする、という感覚のときに使います。
例文『胃がしらしらする』 標準語『胃がムカムカする』
⑤『しぇたもんだ』
標準語では、信じられない、理解できないというときに使います。
例文『あいつは、ほんにしぇたもんだわ』 標準語『彼はほんとに、理解できないよ』
⑥『よだきい』
標準語では、セコイ、最低、など、かなり強い否定的な言葉です。
例文『あいつは本当によだきいけなあ!』 標準語『彼は本当にセコイからなあ!』
⑦『かばち』
標準語では『無駄口、屁理屈』などの意味があります。
例文『かばちたれるな』 標準語『屁理屈言うな』
⑧『どんどろけ』
標準語では雷のことです。野菜や豆腐を入れた炊き込みご飯のことを『どんどろけ飯』といいます。豆腐を炒めるときの音からきています。
例文『わあ、どんどろけだ!』 標準語『わあ、雷だ』
⑨『とじこく』
標準語ではうそをつく、という意味です。
例文『とじこいとる!』 標準語『ウソついてる!』
⑩『しぇんしぇ』
標準語では先生という意味です。
例文『しぇんしぇがきんさった』 標準語『先生がいらっしゃった』
【鳥取弁】日常会話で使われる定番の方言15選
鳥取の日常会話でよく使われる定番の方言を15個ご紹介します。鳥取弁はゆったりとした感じで、特徴的なフレーズも多く、なまりもどことなくかわいい印象を受けます。旅行に行ったら気をつけて聞いてみてください。
①『なんだいや』
「だ」にアクセントがあり、標準語では『どうしたの?』や『なあんだ、なんだなんだ、』などいろいろな意味になります。疑問をもったとき、疑問が解消されたとき、リズミカルなイントネーションの方言です。
例文『なんだいや!』 標準語『(なあんだ)そんなことか』
②『えらい』
標準語では『つかれた、しんどい』などの意味です。体調が悪いときにも使う方言です。
例文『どこがえらいだ?』 標準語『どこが悪いの?』
③『だらず』
『だらず』は山陰地方でよく聞く言葉です。標準語で『バカだ、愚か者だ、阿呆』という意味です。
例文『だらず、なにしとるだいや』 標準語『ばか、なにしてるの』
④『~け(え)』
『~け(え)』は標準語で〇〇だから、という意味で、『~だけぇ』と語尾につけて使われます。
例文『今日は休みだけぇ』 標準語『今日は休みだから』
⑤『きなんせ』
標準語では『お越しください』の意味で、観光関係のPRなどで耳にすることも多いフレーズです。
例文『鳥取にきなんせ』 標準語『鳥取にお越しください』
⑥『たいぎぃ』
標準語では『しんどい、疲れる、面倒』という意味で、広く中国地方で使われている方言です。
例文『たいぎぃっちゃ』 標準語『疲れたよ(面倒くさいよ)』
⑦『ですです』
『ですです』は、ちょっと聞くとかわいい印象ですが、日常大人でも普通に使う方言です。標準語で『そうです』と丁寧に同意するのによく使われます。
例文『ですです』 標準語『そうですね』
⑧『はぐる』
標準語では『めくる、はがす』という意味です。
例文『カレンダーはぐっといて』 標準語『カレンダーめくっといて』
⑨『いけん』
『いけん』は行けないではなく、標準語で『だめ、いけない』のほうです。
例文『そげなことはいけん』 標準語『そんなことだめだよ』
⑩『えっと』
『えっと』は言いよどんでいるのではなく、標準語で『たくさん』という意味です。
例文『給料がえっと出た』 標準語『給料がたくさん出た』
⑪『うら』
『うら』は私、自分という意味です。
例文『うら、帰るけ』 標準語『私は帰るよ』
⑫『うちげ』
『うちげ』は標準語で『私の家』までをひとまとめにしています。
例文『うちげくる?』 標準語『家に来る?』
⑬『たばこ』
『たばこ』は標準語の意味の煙草ではなく、鳥取では『休憩、一休み』することです。方言なので煙草を喫わない人でも使います。
例文『たばこしんさい』 標準語『休憩しなさい』
⑭『さんだがない』
標準語では『すごく散らかっている』という意味です。
例文『まあ、さんだがないがぁ!』 標準語『まあ、すごく散らかっているじゃない!』
⑮『だったも』
『だったも』は標準語で『毎度、いつも』などの意味で、あいさつでよく聞かれる方言です。
例文『だったもどうもお世話になります』 標準語『いつもお世話になります』