転職活動中は何かとストレスを感じることも多いはず。無事に書類選考や面接を通過し、ようやくもらった内定に素直に喜ぶことができない“内定ブルー”になってしまった相談者さんもいらっしゃいます。今回は、キャリアアドバイザーが内定ブルーになってしまう理由について、紹介していきたいと思います。

マリッジブルーならぬ、“内定ブルー”

おはようございます!キャリアアドバイザーAです。
Cinq読者の皆さん、ご機嫌いかがですか?

転職活動に一歩踏み出してみた方や、活動してみたものの少し躓いてしまっている方に向けて、人材ビジネスのウラ話も交えた「ヒント」をお伝えできればと考えながらお送りしています。<br>
今回のテーマは、「内定が出たのに…意思決定できないのは何故だろう?」です。

転職活動中は何かとストレスが多いものですが、書類選考や面接を無事に通過し、内定が出た方にも思わぬストレスが襲ってくることがあります。

本当にその会社に決めていいのだろうか?

その会社で自分はやっていけるのだろうか?
もっと条件のいい会社を受けてみるべきではなかったのか?

【マリッジブルー】ならぬ【内定ブルー】とも呼ぶべき状況です。

「幸せ」だと感じるものにもストレスはかかってしまう⁉︎
古い研究論文ですが、50年程前にアメリカの社会学者のホームズと内科医のレイによってストレスを数値化した論文が出されました。ライフイベントに関わるストレスを数値化したもので、【社会再適応評価尺度(社会的再適応評価尺度 Social Readjustment Rating Scale:S.R.R.S.)】と言います。

ストレス数値の合計が200から300を超えると、半数以上が1年以内に何等かのストレス症状が心身にあらわれると2人は考えました。
もちろんストレスのかかり方には個人差があります。必ずしもこの研究結果に誰もが当てはまるというわけではありませんが、客観的な指標にはなると思いますので、一部抜粋してご紹介しましょう。

【社会再適応評価尺度】
● 配偶者の死 100
● 離婚 73
● 近親者の死 63
● 自分のけがや病気 53
● 結婚 50
● 解雇 47
● 退職や引退 45
● 家族が健康を害する 44
● 妊娠 40
● 新しく家族が増える 39
● 職種換えまたは転職 36
● 夫婦の口論の回数増加 35
● 仕事上の責任の変化 29
● 生活習慣を変える(禁煙・禁酒など) 24
● 上司とのトラブル 23
● 勤務時間や勤務条件の変化 20

ご覧の通り、結婚や家族が増えること等、「幸せ」と思える変化にもストレスがかかっていることがわかります。また、夫婦喧嘩の回数が増えたり、仕事で上司とトラブルになってしまったりすることよりも、退職や転職はストレスがかかっていることもわかります。

転職活動自体、基本的に現職に不満を抱えて始めることがほとんどなので、新しい環境で働ける、キャリアアップにつながると考えて転職活動している最中はあまりストレスを感じないかもしれません。

ただ、問題はその後、転職活動で内定を得てからのほうがストレスを感じてしまうのです。
つまり、「内定が出た」のにストレスを感じる。ということは特段おかしなことではなく、ごく当たり前の反応である。ということです。そう考えると少し気持ちが楽になりませんか?