少子高齢化による将来の年金への不安から、国民年金保険料を払わないという人がいます。2018年6月に厚生労働省が発表した「平成29年度の国民年金の加入・保険料納付状況」によると、2017年中に納付された保険料の納付率は66.3%と、3割強の人が未納でした。

自分が払ったお金が返ってこないなら払わない方がいいと考えるのもわかりますが、保険料を払わないままにしておくと、のちのち財産の差し押さえなど厳しい処置が下されます。今回は未納の場合、何が起こるのか、そして保険料を払えない場合の対策をご紹介します。

保険料の納付は国民の義務

(写真=Cozine/Shutterstock.com)

20歳以上になると必ず払わなければならない

国民の義務といえば、「教育の義務」「勤労の義務」「納税の義務」の3大義務が有名ですが、国民年金についても「国民年金法」という法律で保険料納付義務が定められています。つまり、国民年金の保険料は「払わなければならないもの」で、払わないという行為は法律違反ということになります。

払ったお金が自分に返ってくるわけではない

国民年金を、「自分が払ったお金が将来増えて戻ってくる貯金のようなもの」と考えている人が多いですが、そもそもこの制度は、引退して収入が減った親に子が恩返しをするという、各家庭で行っていたお金の流れを、社会全体での制度として拡大したものです。

つまり、国民年金は世代間の助け合いが目的なのです。自分が払った保険料と将来の保険料を比べるのは、本来の趣旨から外れていることは覚えておきましょう。

年金を払わないと督促状がくる。最悪財産の差し押さえも

国民年金を払っていない人がいるなら、自分も払わなくてもいいかと考える人もいるかもしれません。しかしながら、特に2014年以降、日本年金機構では強制徴収の取り組みを強化しています。家に届く催告状や督促状を放置していると、延滞金がかかるほか、最終的に財産を差し押さえられる可能性もあります。

2017年4月から2018年3月まで日本年金機構が送付した督促状は6万6,270件で、それでも納付しなかった人のうち、1万4,344件の財産が差し押さえられています。この取り組みは今後も強化されていくでしょうし、差し押さえは本人だけでなく、滞納者の世帯主や配偶者も対象になります。

困ったときは年金事務所に相談を

 

(写真=buritora/Shutterstock.com)

保険料が免除される制度がある

「払った保険料より、将来受け取れる年金が少ないから」という理由で国民年金を納めない人もいるかもしれませんが、中には経済的な理由で保険料を払うことが難しい人もいるでしょう。そういう人は、放置せずにできるだけ早く、地域の年金事務所や役所の年金課へ相談に行きましょう。

本人や配偶者、世帯主の所得が一定額以下もしくは失業した場合は、本人が申請書を提出することで保険料の納付が免除になることがあります。免除される額は、所得によって全額、4分の3、半額、4分の1の4種類があります。

納付猶予を利用できる年齢も広がっている

本人や配偶者の所得が一定額以下のとき、申請することで保険料の納付が猶予されることもあります。この制度は2016年6月までは若年者納付猶予制度という名称で20歳から30歳の方が対象でしたが、2016年7月からは対象年齢が広がり、50歳未満であれば利用できるようになりました。

保険料の免除や猶予を受けるメリット

国民年金の保険料免除制度や納付猶予制度は、財産の差し押さえをされないこと以外にもメリットがあります。

まず、免除期間や猶予期間は老齢基礎年金や遺族年金がもらえるかどうかの基準となる受給資格期間に含まれます。そして、たとえ全額免除期間であっても、老齢基礎年金を受け取る際に税金分の2分の1を受け取ることができます。

また、国民年金は老後の年金というイメージが強いですが、実は障害が残った場合の障害保険の役割もあります。未納の場合は障害年金を受け取ることはできませんが、免除期間や猶予期間であれば受け取ることができます。

国民年金は未納のまま放置しないことが大切

将来の年金財源の不安から、国民年金の保険料を払いたくないと思う人もいるかもしれませんが、国民年金は世代間の支え合いの制度です。逆に自分たちが老後を迎えたとき、現役世代の人たちにお金を払いたくないと言われると、少し寂しくなりますよね。

ただし、経済的に苦しいときは、どうしても払えないこともあるでしょう。そういうときは、免除や猶予などの制度がありますので、早めに相談することが大切です。

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