「公営住宅」って何? 普通の集合住宅とは何が違うの?
「公営住宅」とは、公営住宅法に基づき低所得者や高齢者、障害者など、住宅確保に困難を抱える人々に向けて国や地方公共団体が建設・管理を行う賃貸住宅のことです。安全で安心できる住まいを比較的安い家賃で提供し、国民の居住の安定を図るという重要な役割を担っています。   では、一般的なマンションやアパートなどの集合住宅とは、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。   本記事では、公営住宅の特徴や入居条件、家賃設定の仕組みなどを詳しく解説し、一般の集合住宅との違いを説明します。

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公営住宅とは?

公営住宅とは、国や地方公共団体(都道府県や市町村)が主体となって建設・管理を行う賃貸住宅です。その目的は、低所得者層や高齢者、障害者など、住宅の確保に困窮する人々に比較的安い家賃で安全な住まいを提供することにあり、日本国憲法第25条に基づき、国民の居住の安定を図るための重要な役割を担っています。
 
公営住宅には、都道府県が管理する「県営住宅」と、市町村が管理する「市営住宅」があり、これらの住宅は、国からの財政支援を受けて建設・運営されています。
 

公営住宅と一般の集合住宅との違い

一般の集合住宅(マンションやアパートなど)は、民間企業によって建設・管理されているのに対し、公営住宅は国や地方公共団体が管理している点が大きな違いです。
 
家賃設定も異なり、一般の集合住宅は市場原理に基づいて自由に設定されますが、公営住宅は「応能応益家賃制度」を採用しています。これは、入居者の世帯収入、住宅の規模および築年数等を考慮して家賃が決定される仕組みです。
 
例えば、大阪市の場合、月収10万4000円以下の世帯であれば、家賃算定基礎額は3万4400円となります。これに住宅の立地や広さなどを考慮した係数をかけて最終的な家賃が算出されます。
 
入居資格も異なり、公営住宅は住宅に困窮している低所得者を対象としているため、収入基準や同居親族要件などが設けられています。一方、一般の集合住宅は、収入や家族構成にかかわらず、誰でも入居できるという違いがあります。
 

公営住宅の入居条件