
▼扶養内で働いてるけど、労働時間が「週20時間」を越えてしまった!「社会保険」に加入する必要はある?
103万円から178万円に「壁」が上がる影響
そもそも、103万円の壁とは所得税が発生しないラインを指します。基礎控除(48万円)と給与所得控除(55万円)を合わせた数字で、年収が103万円を越えると所得税が発生します。
また、扶養者が扶養控除を受けるうえでも「103万円の壁」が存在します。つまり、103万円の壁を超えると、本人に所得税が発生するうえに扶養者が扶養控除を受けられなくなり、手取り収入が減少してしまうのです。
103万円から178万円に壁が引き上げられる計算の根拠は、最低賃金の推移にあります。103万円の壁は1995年から現在まで変わっていませんが、最低賃金は1995年から約1.73倍になっています。
そこで、控除合計額も「103万円×1.73=178万円」に引き上げることが議論されているのです。年収の壁が引き上げられると、手取りの所得が増えることに加えて、より労働時間を増やせるメリットがあります。
「もっと働きたいが、年収の壁の影響で働くのを控えざるを得ない」というパートやアルバイト労働者が減り、働く時間を増やすことで、収入の増加につながるでしょう。
母子2人が103万円→178万円に「収入増」で手取りはどれだけ増えるかシミュレーション
国民民主党の試算によると、103万円から178万円に年収の壁が引き上げられると、図表1のように手取り額が増えるとされています。
図表1
年収 | 増えると見込まれる手取り額 |
---|---|
200万円 | 8.6万円 |
300万円 | 11.3万円 |
500万円 | 13.2万円 |
600万円 | 15.2万円 |
800万円 | 22.8万円 |