貯金が300万円なのに住宅購入は「年収の5倍までなら大丈夫」という夫。正直「高すぎ」と思うのですが「落とし穴」はあるのでしょうか?
「住宅購入は年収の5倍まで」という一般的な基準。しかし、それがすべての家庭にとってちょうどよい基準とはかぎりません。本記事では、地方都市に住む世帯年収500万円、貯金300万円の家庭を例に、そのリスクや注意点について解説します。

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住宅購入価格の上限「年収の5倍論」の根拠

住宅購入の際、多くの人が目安にするのが「購入価格は年収の5倍まで」という基準です。これは、年間のローン返済額が年収の25%以内に収まる計算に基づいています。年収500万円の場合、年間の返済額は約125万円、月々の返済は10万円程度となります。
 
住宅ローンの借入可能額の計算でも、多くの金融機関はこの金額を目安としています。しかし、この基準が誰にとっても無理なく返済できる借入金額であるとはかぎりません。そこで、実際に住宅ローンを組む際は、家庭の収支やライフプランに応じて判断するようにしましょう。
 

頭金をどれだけ確保できるかが大切

住宅購入価格が年収の5倍を超えていたとしても、十分な頭金を用意できていれば月々の返済負担は抑えられます。
 
「不動産の相談窓口」を運営する、株式会社ライフアドバンス(東京都渋谷区)が実施した「住宅購入に関するアンケート調査」(調査期間:2024年9月18日~10月2日、調査対象:住宅を購入したことのある人310人)によると、住宅の購入時の貯金額で最も多かったのは501万円~800万円でした。
 
一般的に、住宅ローンを組む際は借入金額の10~20%の頭金が必要とされています。頭金の割合をさらに高くできれば、無理のない返済プランを立てられるでしょう。
 

本当に大丈夫? 「盲点」と「リスク」

住宅ローンを組むときには、起こりうるリスクも考慮したうえで借入金額を決める必要があります。ここでは、住宅ローンを組む際に注意すべきポイントを見ていきましょう。
 

返済負担率の限界