年収「500万円」で「老後の資金」をどれだけ準備できるのでしょうか? どんなペースで貯金すれば安心できるのか知りたいです。
年金生活を始めるまでに蓄えておくべき「老後の資金」は、年金で生活する期間に必要となる生活費の合計から、その間に受給することが見込まれる年金額の合計を差し引いて求めます。   今回は、年収500万円の会社員の夫と専業主婦の妻をモデルに老後の資金を見積もり、老後の資金を準備する方法について解説します。

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老後に必要となる生活費の合計額は

1. 老後に必要となる生活費

(公財)生命保険文化センターの「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」(※1)によると、夫婦2人で老後生活を送るために必要と考えられる最低日常生活費は月額23万2000円となっています。また、経済的にゆとりある老後生活を送るための費用としては、最低日常生活費に14万7000円上乗せした月額37万9000円が必要といわれています。
 

2. 老後の期間

厚生労働省「令和5年簡易生命表」によると、65歳の平均余命が男性19.52年、女性24.38年(※2)であることから、老後の期間は、年金の受給を開始する65歳から25年間として解説します。
 

3. 老後に必要となる生活費の合計額

老後に必要となる生活費は、最低日常生活費の場合、月額23万2000円に老後の期間25年を掛けて計算すると、下記のとおり6960万円となります。
 
23万2000円×12月×25年=6960万円
 
また、ゆとりある老後生活を送るために必要な生活費の場合、月額37万9000円に老後の期間25年を掛けて計算すると、下記のとおり1億1370万円となります。
 
37万9000円×12月×25年=1億1370万円
 

モデル夫婦が受給できる老齢年金の合計額は

「夫は会社員として20歳から65歳まで年収500万円で勤務し、妻は専業主婦」というモデル夫婦が65歳から受給することができる老齢年金は、夫婦の老齢基礎年金と夫の老齢厚生年金の合計額となります。なお、ここでは、夫婦は同年齢とします。
 

1. モデル夫婦の老齢基礎年金の見込み額