夫が「複数」の金融機関から借り入れしていることが発覚! どの順番で、どのように返済すればいいですか?
夫婦共働きが一般的になりました。それぞれに収入があると、パートナーのお財布事情を知らないことも多いようです。「思ったよりも貯金してくれている」という場合もあれば、その逆もあるので注意が必要です。

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まずは現状を把握することから

「今年はフランス旅行がしたい! 」と計画したAさん。費用をどう捻出するかを夫と相談したところ、2人とも貯金がないことが分かりました。その後算段していると、夫が複数の金融機関から借り入れしていることも発覚。寝耳に水の状況に驚き、Aさんから今後の進め方について相談を受けました。
 
まずは現状把握です。夫の手取りは毎月63万円で、そのうち13万円は借金の返済に充てています。現在の残債が860万円。借入先が複数なので整理することから始めます。どこからいくらの借り入れをしているのか。
 
毎月の返済金額はいくらで、完済時期はいつなのか。借入金利はどうなっているのか。借入先は4ヶ所でそれぞれの借入金利は図表1のとおりです。
 
(図表1)

「どの順番に返済するのか」のセオリーは金利の高い順です。図表を見て信販会社Bの返済を最優先したくなりますが、他の借り入れを延滞するようなことになっては元も子もありません。基本は決められた返済金額を、淡々と毎月返し続けることです。
 
そのうえで、金利の高い借入先から繰上げ返済を行うことを視野に入れます。図表2は、500万円を10年間で返済する事例です。借入利率は10%で試算しています。1年後に50万円を繰上げ返済した時の効果を確認します。

<繰上げ返済実行の時点(1年後)>

繰上げ前元金残高:469万3289 円
毎月返済額:6万6075 円
残り返済期間:9年
繰上げ後元金残高:416万6324 円