
▼毎日「8時50分」から朝礼が! 定時は9時だけど「残業代」は請求できる?「義務」か判断するポイントとは?
2つの条件が満たされていれば申請可能
労災保険とは、業務中や通勤中に労働者が負傷した場合に、治療費や休業補償などを受けられる制度です。労働者を雇用しているすべての事業所が加入義務を持っています。
そして労災「労働災害」に該当するかどうかの判断基準は以下の2点です。この2つが満たされていれば労災保険の適用対象です。
1. 業務遂行性(業務の一環として移動していたか)
2. 業務起因性(業務とけがの発生に因果関係があるか)
Aさんは、「会社の業務」として取引先に向かう途中で階段から足を踏み外し、骨折してしまいました。このような場合、会社の指示のもと、業務として取引先へ向かう途中だったため、「通勤災害ではなく業務災害」として労災申請できる可能性が高いです。
業務災害と通勤災害の違い
ここで、あえて「通勤災害」ではなく「業務災害」と強調したことには理由があります。
業務災害には「補償」という言葉がありますが、通勤災害にはありません。この違いは「労働基準法で会社に補償が義務付けられているか」の違いから来ています。
具体例として、以下のような違いがあります。
●業務災害の場合、自己負担金はありませんが、通勤災害の場合は自己負担金(200円)があります。
●業務災害の場合は3日間の待期期間中の休業補償を会社が行わなければなりません。一方で、通勤災害は待期期間中に休業補償を行う必要がありません。
●業務災害は療養のための休業期間とその後30日間は解雇制限がありますが、通勤災害には解雇制限がありません。