
▼「生活保護」の受給要件とは? 親族への扶養照会は必須なの?
生活保護申請時に調べられる範囲
生活保護の申請があると、申請者の生活状況などを把握するために実地調査を行います。調査の範囲には、申請者本人の預貯金や保険、不動産などの資産や、年金、収入などが含まれます。
生活保護費の支給は原則として世帯単位で決定されるため、家族や同居人の状況も考慮されますが、同居していない家族の資産状況は通常は考慮されません。しかし、民法第877条では、直系血族および兄弟姉妹らを指す扶養義務者の扶養が、生活保護よりも優先されると定められています。
そのため扶養義務者に対する調査は原則行われ、扶養義務者に送られる調査書類「扶養届書」では、金銭的な援助の可否から、収入、不動産などの資産、また負債の状況について回答が求められます。
このとき、もし扶養義務者が援助可能であるにもかかわらず、援助を行っていないと判断された場合、扶養義務者に対しても、銀行などの関係機関への照会が行われることがあります。ただし、行政が家庭の事情に立ち入るべきではないという見方もあり、通知や照会は慎重に行われているようです。