「このままでは老後貧乏になる!」と56歳の妻がパートを始めました。貯金“800万円”あるので年金と併せて十分かと思うのですが、足りないでしょうか?
定年が近づく年齢になると、老後の生活費が足りるのか心配になってくる人もいるでしょう。   「年金と今ある貯金だけで生活できるのか?」「年金を受給するようになってからでもパートに出られるのか?」など、不安になることもあるかもしれません。   本記事では、老後に必要な生活費をご紹介するとともに、貯金が800万円ある場合は定年後何年生活できるのかを計算してみましょう。

▼65歳から70歳まで「月8万円」をアルバイトで稼ぐと、年金はどれだけ増える?

老後に必要なお金はいくらぐらい?

老後貧乏にならないためにも、定年後の生活にいくらぐらいのお金が必要なのかを確認しておいた方がいいでしょう。
 
総務省統計局の「2023年家計調査報告(家計収支編)」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯における1ヶ月の消費支出の平均は25万959円、税金や社会保険料などの非消費支出は3万1538円です。
 
月々28万2497円の支出があるとした場合、1年で約340万円の生活費がかかることになります。仮に、65歳で定年をむかえてから90歳まで生きたとすると、25年間で約8500万円が必要です。
 

「貯金800万円」だと定年後は何年生活できる?

今回の事例では「貯金800万円」ということなので、65歳から年金を受給した場合、貯金が800万円あれば何年間生活できるのか計算してみましょう。
 
年金をいくら受給できるかは、夫婦の年金の加入状況によって異なります。今回は、夫が厚生年金に、妻が国民年金に加入しているケースとして考えてみます。
 
厚生労働省の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の受給者平均年金月額は14万7360円、国民年金は5万7700円ということです。合計すると月に約20万円の年金を受給できることになるため、月々の消費支出が約28万円だった場合、8万円ほど不足する計算になります。
 
貯金が800万円しかない場合、月8万円の不足分を補えるのは約8年間ということになるでしょう。65歳で定年をむかえてから73歳くらいまでは貯金で生活できる可能性がありますが、それ以降は月々の不足分を補えなくなってしまうかもしれません。
 

パートを始めるうえでの注意点