株式市場における下落相場への対応は、さまざまな指標や過去の値動きなどから総合的に判断する必要があります。下落相場にうまく対応するための判断材料にはどのようなものがあるのか、格言を交えながら学び、相場予想の力を身につけましょう。

相場の上昇・下落とは

取引されるタイミングによって価格が変わるものとしては、外国為替や債券などから不動産や原材料までさまざまあります。そしてもちろん、上場企業の株式も日々刻々と値が動いています。このような株式や債券、外国為替などその時々の取引価格のことを「相場」と呼びます。

株式投資の世界で「相場が上昇する」とは、株式市場において全体的に各銘柄の取引価格が上昇傾向にあるということを指し、逆に「相場が下落する」とは、全体的に各銘柄の取引価格が下落傾向にあることを指します。

相場の動きに合わせて売買戦略を適宜見直すことは極めて重要です。たとえば日本株の相場が下落しているのにも関わらず、そのことに気づかずに積極的に株式を購入していくと、結果として損失が出やすくなってしまいます。もちろん、その直後に相場が上昇に転じ、利益を上げることもあります。しかし、少し厳しい言い方をすれば、それは単に運が良かっただけといえます。

下落相場への対応と相場格言

株式市場の相場は上昇するときもあれば下落するときもあります。当然、相場が上昇しているときは株式投資の成果を出しやすいですが、下落相場では利益をあげることが難しくなります。

では、下落相場において株式投資家はどのような対応をすべきでしょうか。こうした点は長年にわたって株式投資家にとっての大きなテーマであり、さまざまな格言が生まれてきました。様子見をするべきだという格言もあれば、逆張りをすべしという格言もあります。下落相場の際に思い出したい格言をいくつか紹介しましょう。

格言:「売るべし買うべし休むべし」

「売るべし買うべし休むべし」という格言は、いつも株式を売ってばかり買ってばかりいるのではなく、ときには様子見をすることも重要だということを意味しています。

株式を売買しなければ利益を生み出すことができないのは事実ですが、売買してばかりでは市場をじっくり分析する余裕を持てません。株式の売買を終えたあとで相場が下落し始めたら、焦って株を売ったり買ったりするのではなく、いったん売買を休み、落ち着いて相場を眺めてみることも大切なのです。

似た格言としては「休むも相場」「売り買い休みの三筋道」などのほか、米ウォール街では「疑わしいときはなにもするな」という格言がトレーダーの間で言い継がれています。

格言:「落ちてくるナイフはつかむな」

「落ちてくるナイフはつかむな」も、相場が下落しているときは様子見をすることを推奨している格言です。

落ちてくるナイフをつかむことは困難でケガをする可能性もあります。この格言では、株価が下落しているときにその銘柄を購入するというのは、まさにこうした行為だと指摘しています。つまり、株式投資で損失を出さないためには、下落している株価が底を打ってからその銘柄を購入するべき、ということを強調しています。

格言:「下手なナンピン、素寒貧(すかんぴん)」

「下手なナンピン、素寒貧(すかんぴん)」という格言を理解するためには、まず「ナンピン買い」について知っておく必要があります。ナンピン買いとは簡単にいえば、株式の平均取得価格を引き下げるテクニックのことです。

ある株を高い株価で買ってしまったあと、その株の株価が下がったタイミングで買い増すと、結果的に平均取得価格が下がります。平均取得価格が下がるということは、それ以後、利益が残る株価の水準が下がるということです。

このナンピン買いは投資手法としては実際に実践されているものではありますが、株価が下落しているときにその株を追加購入することになるため、その後も株価の下落が続くと大きな損失につながります。下落相場は確かにナンピン買いの機会ではありますが、素寒貧までとはいかなくても結果として大損してしまうリスクがあることも覚えておきたいところです。

格言:「人の行く裏に道あり花の山」

ここまで説明した3つの格言はどれも下落相場に対して消極的姿勢を推奨するものですが、4つめに紹介する「人の行く裏に道あり花の山」は少し毛色が異なる格言です。この格言は「人があまり行かない裏道にこそ絶好の花見の場所がある」という意味で、人と反対のことをすることで利益を出すという「逆張り」の視点の大切さを説いています。

「落ちてくるナイフはつかむな」という格言になぞらえるならば、落ちてくるナイフをつかんで利益を出すということです。当然、恐怖感やリスクを伴う行為ではあるものの、うまく逆張りが成功すれば人並み以上の利益をあげることもあります。

似た格言としては「相場師は孤独を愛す」「友なき方へ行くべし」などがあるほか、ウォール街のトレーダーのなかでも「人が売るときに買い、人が買うときには売れ」という考えを持っている人は少なくありません。