「非正規雇用」で迎える老後のリアル! 「年金額」や「生活費」をシミュレーションして分かる課題とは?
老後の安心が遠のく非正規雇用の現実――あなたの未来は大丈夫?   非正規雇用の増加が社会問題として取り上げられるなか、その影響は老後の生活にまで深刻な影を落としています。   「老後2000万円問題」が話題になりましたが、非正規雇用者にとってはさらに厳しい現実が待ち受けているのです。安定した収入や十分な年金が保証されない、非正規雇用者の老後はどうなるのでしょうか?   本記事では、非正規雇用者の老後の実態を、具体的な年金額や生活費のシミュレーションを通じて明らかにします。数字で見る厳しい現実と、それでも希望を見いだすための具体的対策について探っていきましょう。

▼年金が「月10万円」で老後が不安…持ち家で「貯金」と「退職金」があれば大丈夫? 生活費を試算

進む非正規化と忍び寄る老後の不安

「40%」という現実――日本の雇用の姿が変わっている
 
非正規雇用者の割合は年々増加し、総務省統計局の「労働力調査 2024年」によると、役員を除く雇用者の36.8%と約4割を占めるまでになりました。かつての「終身雇用」はもはや多くの日本人にとって遠い夢となっています。
 
最も衝撃的なのは、厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」による雇用形態別の賃金で、正社員・正職員 が月額34万8600円に対し、正社員・正職員以外 23万3100円と、非正規雇用者の平均賃金が正社員の約7割にとどまるという事実です。
 
この賃金格差は、将来の年金受給額に直結する重大問題です。さらに、多くの非正規雇用者は退職金という大きな「老後の備え」を受け取れません。こうした現状が、非正規雇用者の多くに「老後破産」の不安をもたらしているのです。
 

衝撃の年金シミュレーション:あなたが受け取れる金額は?

国民年金だけだと月額6万9308円――これで生活できますか?
 
非正規雇用者の年金受給額は、正社員と比べて大幅に低くなります。厚生年金に加入していない場合、老齢基礎年金(国民年金)のみの受給となり、2025年度の満額(40年間加入)でさえ月額約6万9308 円にしかなりません。
 
一方、厚生年金に加入している場合でも、非正規雇用者の平均年収の低さから、受給額は限られます。例えば、40年間就労し平均年収240万円の場合、老齢基礎年金と老齢厚生年金を合わせた受給額は月額約11万1000円と試算されています。この金額で、あなたは老後の生活を想像できますか?
 

老後に必要な生活費vs非正規雇用者の現実