退職金「1000万円」をもらい、退職しました。私と妻の介護費用は退職金からいくらくらい取っておけばいいですか? 貯金がないので目安が知りたいです
元会社員のAさんは、退職金1000万円をもらい、先日退職しました。いまのところAさんも妻も健康ですが、いつかは介護が必要になるでしょう。   しかし貯金がないので、介護費用を取っておく必要があると思い、「介護費用はいくらくらい取っておけばいいのか」とのご相談です。ちなみに、Aさんは再就職を希望しておらず、Aさん妻はもともと扶養内パートで現在も週2日ほど勤務をしています。

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生涯の介護費用500万円

介護費用は個人の状況によって異なります。生命保険文化センターが行った調査では、介護に必要となった費用(公的介護保険サービスの自己負担費用を含む)は、住宅の改造や介護用ベッドを購入するための費用など一時的な費用の合計は平均74万円、月々の費用として平均8.3万円です。
 
介護を行った場所や施設ごとに介護費用(月額)を見ると、在宅は平均4.8万円、施設は平均12.2万円となっています。介護に要した期間は約5.1年という結果になっています。
 
もちろんこれはあくまで目安で、介護の期間や受けるサービスによって変わります。長い場合は 10年以上 継続することもあります。さらに、公的介護保険があるため、実際の自己負担額は利用するサービスによって異なります。
 
これらを考え併せて、500万円と見積もっておくとよいでしょう。
 

退職金のうち、500万円を介護費用として確保する

Aさんの場合、退職金1000万円を受け取られたとのことですが、そのうち 500万円程度を介護費用の目安として確保しておくと安心です。その場合、必要な額を一括で確保するのではなく、一部を低リスク運用(例:個人向け国債、投資信託)にまわすことで、資産を増やしながら備える方法も検討するとよいでしょう。
 
例えば、50万~100万円程度を流動性のある資産運用にまわしながら、将来の介護費用に備えてはいかがでしょうか。運用益は介護費用に充て、流動性に問題のない投資対象を選ぶことで、必要になった時には柔軟に引き出せるようにしておくなど大まかなルールを決めておきましょう。
 

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