
▼年金が「月10万円」で老後が不安…持ち家で「貯金」と「退職金」があれば大丈夫? 生活費を試算
老後生活費の平均と必要な貯蓄額
必要な老後資金は各家庭によって異なるため、いくらあれば安心かは一概にいえません。しかし一般的な老後生活費の平均から、必要な貯蓄額の目安を知ることは可能です。
総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯では、食料・住居・水道光熱費などの消費支出は月平均25万959円、社会保険料などの非消費支出の3万1538円を加えると28万2497円です。これに対して実収入は、公的年金などの社会保障給付が21万8441円、そのほかの収入を加えると24万4580円になります。
同調査から、世帯収入が基本的に公的年金がメインとなる家計では、毎月3万8000円ほどの不足が生じることが分かります。これをベースに必要な貯蓄額を算出すると、老後生活が30年であれば1368万円、35年であれば1596万円が必要です。
節約しても生活費が35万円の場合は、いくらの貯蓄額が必要になるでしょうか。同調査の実収入である24万4580円をベースに計算すると、毎月の不足分は10万5420円です。老後生活が30年であれば3795万1200円、35年であれば4427万6400円の不足が生じることになります。