
▼年金が「月10万円」で老後が不安…持ち家で「貯金」と「退職金」があれば大丈夫? 生活費を試算
高齢者の持ち家事情
総務省が実施した「令和5年住宅・土地統計調査」によると、日本における主世帯総数5566万5000世帯に対して持ち家は3387万6000世帯で、持ち家率は60.9%であるとのことです。高齢者のいる世帯については、持ち家率は81.6%で、主世帯全体と比較すると20.7ポイント高くなっています。
高齢者世帯別に持ち家率をまとめると、以下の通りです。
●高齢者のいる世帯:81.6%
●高齢単身世帯:67.5%
●高齢者のいる夫婦のみの世帯:87.6%
●高齢者のいるその他の世帯:88.6%
賃貸に住む50代夫婦が老後生活について考える際に、「老後二人暮らしなら持ち家に住んだ方がよいのでは」と悩んだとしても不思議ではありません。
高齢者が持ち家に住むメリット・デメリット
高齢者の8割以上が持ち家に住んでいるというデータがあるものの、賃貸と持ち家のどちらがよいかは一概にいえません。それぞれにメリット・デメリットがあるからです。
持ち家に住むメリットには、住宅ローンを完済するとその分の出費がなくなり、住居にかかるランニングコストが大幅に減ることが挙げられます。自分の資産になり、老後も住む場所に困らない安心感が得られるでしょう。老後資金が必要になったときに売却したり、子どもたちに財産として残したりすることもできます。
持ち家であれば、リフォームやリノベーションを自由に行えるメリットもあります。DIYやガーデニングなどを趣味にできることもあるでしょう。
一方で、持ち家は住宅ローンの返済が終わった後も、設備のメンテナンスや建物の修繕などで費用負担は続く点に注意が必要です。場合によってはまとまったお金が必要になるケースも考えられます。また一度持ち家に住むと、住み替えや引っ越しが気軽にできないかもしれません。