老後資金が少ない場合は、年金が受給できる年齢になったとしても、できる限り仕事を続けて収入を得ることができるでしょう。妻のパート代も合わせて家計収支が黒字になるように生活費を見直せれば、老後資金を増やしていけます。
 
65歳になってすぐに年金を受け取るのではなく、繰下げ受給も検討できます。66歳以降75歳までの間で繰り下げると、年金額は増額されて、増額率は一生変わりません。増額率は「繰り下げた月数×0.7%」で、最大84%まで増額されます。定年後も仕事を続けて貯金を増やすとともに、年金の繰下げ受給で将来増額された年金を受け取れれば、老後生活における経済的な負担を少しでもおさえられるでしょう。
 
老後資金をそのまま銀行に預けるのではなく、一部を資産運用で増やせるかもしれません。資産運用には株式投資・不動産投資・投資信託など、さまざまな方法があります。知識や経験などに応じて、リスクも理解したうえで自身に合った方法を探してみるといいでしょう。
 

貯金350万円は老後生活の7~8年で底を突く可能性あり! 妻もパートで働いて老後資金を増やすなど対策が必要

2人以上の世帯の消費支出を年齢階級別にみると、60~69歳の世帯で1ヶ月平均30万6476円であることから、定年後に夫の収入が手取り18万円では毎月12万6476円の赤字となることが分かりました。年金受給まで貯金を取り崩さないように、妻もパートで働いて生活費を補えるでしょう。年金生活が始まった後も、年金だけでは毎月3万7916円の不足が生じるといわれており、貯金350万円は7~8年で底を突く可能性があります。
 
老後資金が少ない場合は、定年後もできる限り長く仕事を続けて、妻のパート代と合わせて家計収支が黒字になるように生活費を見直すことが大切です。年金を65歳で受け取らずに繰下げ受給をして、増額した年金が受け取れるようにできます。また老後資金の一部を資産運用で増やすことも検討できるでしょう。
 

出典