フジテレビ系の深夜のバラエティー番組『オールナイトフジコ』が3月末で終了することが報じられた。
同番組は1983年から91年まで放送され人気を集めた伝説の深夜番組『オールナイトフジ』の世界観を復活させた番組として、港浩一前社長の肝いりで23年4月にスタートした。
港氏が“女子大生ブーム”を生み出した『オールナイトフジ』と同様、『フジコーズ』と呼ばれる現役女子大生たちがレギュラー出演。
メインMCを元テレビ東京でテレビプロデューサーの佐久間宣行氏が務め、MCはお笑いコンビ・さらば青春の光の森田哲矢とオズワルドの伊藤俊介が担当している。
放送開始当初は2時間の生放送だったが、昨年4月からは1時間の枠に短縮して放送。今年3月での打ち切りが決定した。
芸能ジャーナリストの竹下光氏は語る。
「若手芸人だったとんねるずや片岡鶴太郎らが出演し、“女子大生ブーム”を巻き起こした『オールナイトフジ』は、番組全盛期は深夜帯での放送ながらフジを代表する人気番組として存在感を放っていました。港氏が手掛けた代表的な番組のひとつで、石橋貴明さんがテレビカメラを破壊した事件やラジオ番組の『オールナイトニッポン』とのセット放送の際に松本明子さんが放送禁止用語を絶叫した事件は今も語り草になっています。
94年には『オールナイトフジ・リターンズ』として1度復活していますが、MCを務めた神田うのさんがブレークしたものの、番組自体は低調で半年ほどで打ち切られました。ちなみに、『おニャン子クラブ』を輩出した『夕やけニャンニャン』は『オールナイトフジ女子高生スペシャル』から派生したもので、番組のフォーマットも『オールナイトフジ』を踏襲し、スタッフもほぼ同じです。
『オールナイトフジ』はテレビが時代の最先端を走っていた黄金時代、フジテレビ全盛期を象徴する番組のひとつでもあり、『オールナイトフジコ』の放送が決定した際には“地上波テレビの復活”や“テレビの逆襲”を旗印として掲げていましたが、やはり時代の流れには勝てなかった印象です」