認可保育園に落ちたけど、私の住む市は「待機児童ゼロ」! これって“ウソ”にならないの?「隠れ待機児童」とカウント方法を解説
子どもが生まれた後も仕事を続ける人にとって、子どもを預かってもらえる保育園の存在は必要不可欠でしょう。子どもを保育園に入園させるための活動を「保活」と呼び、認可外保育園よりも比較的保育料が安い認可保育園に子どもを入園させるために、出産前から保活をする人もいます。   実は、待機児童ゼロの自治体に住んでいるから安心というわけではないのが保活の現実です。本記事では、待機児童ゼロなのに保育園に落ちてしまう理由を解説します。

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待機児童ゼロは本当のゼロではない

令和6年4月の待機児童調査によると、日本全国合わせた待機児童の数は2567人です。約87.5%の市区町村が待機児童ゼロとなっています。
 
この結果を見ると、ほとんどの子どもが保育園に入園できていると感じる人もいるのではないでしょうか。実際、筆者も子どもを産むまでは、待機児童ゼロ=全ての子どもが希望する認可保育園に入れる、のだと考えていました。
 
しかし、待機児童ゼロは本当のゼロではありません。なぜなら、特定の保育園しか希望を出していない状況で落ちた場合や、認可の保育園に落ちたことで認可外を探した場合、仕事を辞めた場合は待機児童にカウントされないからです。
 

隠れ待機児童とは?

厚生労働省による保育所等利用待機児童の定義は、調査日時点において保育の必要性が認定されており、特定教育・保育施設事業の利用の申し込みがされているが、利用していない児童、となっています。
 
つまり、認可の保育園に落ちたことで子どもを認可外保育園に入園させた場合や、仕事を辞めた場合は待機児童としてカウントされていないのです。
 
定義には、特定の保育園を希望しており落ちた場合も待機児童に含めないと記されています。きょうだいで別々の園に入園することになり保護者が転園届を出している場合でも、待機児童とは見なされません。
 
希望の保育園に入れていないにもかかわらず、さまざまな理由で待機児童としてカウントされない児童のことを「隠れ待機児童」や「保留児童」などと呼んでいます。
 

待機児童ゼロでも希望の保育園に入れないことがある