
▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
退職金の税金はどのように決まる?基本的な仕組みを解説
退職金の扱いは通常の給与所得とは異なり、他の所得とは分けて「退職所得」として課税される「分離課税」です。分離課税の場合、税負担を軽減するための特別な計算方法が用いられます。
具体的には、退職所得控除を適用したうえで、課税対象額の2分の1を「課税退職所得金額」として計算し、所得税・住民税が課されます。
退職所得控除の仕組み
退職金には「退職所得控除」という優遇措置があり、勤続年数が長いほど控除額が大きくなります。計算方法は以下の通りです。
● 勤続年数が20年以下の場合:40万円 × 勤続年数(最低80万円)
● 勤続年数が20年を超える場合:800万円+70万円 ×(勤続年数ー20年)
退職金にかかる税金の計算方法
課税退職所得金額は、以下の式で算出します。
課税退職所得金額(1000円未満切り捨て):(退職金ー退職所得控除額)÷ 2
この課税退職所得金額に応じて、税率と控除額が適用されます。
所得税額:課税退職所得金額 × 税率ー控除額
住民税額:課税退職所得金額 × 10%(一律適用)
退職金3000万円の場合の税額シミュレーション
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