両親の貯蓄は「600万円」程度。もうすぐ定年で退職金「2000万円」が入りますが、生活していけるでしょうか?
老後に必要な資金は、個々の生活スタイルや健康状態、住宅の所有状況など多くの要因によって異なります。老後の資金を見積もるための手順として、まずは生活費などの支出と、年金や預貯金、投資信託などの金融資産を確認することです。一般的には、次のようなことから始めましょう。   1. 公的年金の受給額を確認する 2. 老後の生活費を見積もる 3. 年金から生活費を差し引いて、不足額を知る 4. 保有する貯蓄や退職金、投資などの金融資産を確認する   今回の相談者の両親は老後資金の一部として、定年時点で「貯蓄600万円」と「退職金2000万円」で、合計2600万円がありました。さまざまなケースを考え、生活していけるかどうかの注意点を解説していきます。

▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?

老後資金の必要額の目安

まず、毎月の生活費の平均をもとに、老後に必要な資金の目安を確認していきましょう。
 
総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)2023年(令和5年)結果の概況」によると「65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)」で1ヶ月当たりの家計収支(図表1)は次のとおりです。
 
図表1

総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)2023年(令和5年)結果の概況」より筆者作成
 

・実収入:24万4580円
・支出合計:28万2497円(消費支出:25万959円+非消費支出:3万1538円)

 
上記データによると、平均的な夫婦高齢者無職世帯のでは、毎月3万7916円の赤字となります。仮に、65~90歳までの25年分が必要だとすると、約1137万円(=月3万7916円×12ヶ月×25年)の貯蓄が必要である、という計算になります。
 
今回の両親の場合も、実際に、公的年金の受給額と老後の生活費を確認しましょう。
 

持ち家の場合と賃貸の場合で必要額が異なる