「相続税」を支払えないときの対処法として「相続放棄」はアリ? 放棄された遺産はどうなるの?
相続が発生すると、故人の財産を受け継ぐことになります。しかし、遺産は現金や不動産だけでなく、借金や税金の支払い義務も含まれます。相続税は財産の価値に応じて課税されるため、多額の相続税が課せられるケースも少なくありません。   この記事では、相続放棄の仕組みやその後の遺産の行方、そして相続放棄以外の対処法について詳しく解説します。

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相続税が支払えない!そのときの対処法とは?

相続税は、相続開始を知った日(被相続人の死亡を知った日)から10ヶ月以内に申告・納付しなければなりません。支払えなければ延滞税が発生し、最悪の場合は財産の差押えが行われることもあります。相続税を支払えない場合に考えられる対処法は、以下の通りです。

●相続放棄(財産も負債も一切引き継がない)
●延納(分割で納税する)
●物納(不動産などで納税する)
●生命保険の活用(納税資金を確保する)

相続放棄は、相続税を支払う必要がなくなる一方、財産もすべて放棄することになるため、慎重に判断する必要があります。
 

相続放棄のメリット・デメリット

相続放棄とは、被相続人の財産や負債を一切引き継がない方法のことです。家庭裁判所に申し立てを行い、手続きを完了すれば、相続人としての権利と義務をすべて放棄できます。相続放棄には、どのようなメリット・デメリットがあるのか紹介します。
 

相続放棄のメリット

●借金も含めて一切の負担を受け継がない
●相続税の支払い義務がなくなる
●他の相続人が代わりに相続できる(財産を維持できる可能性)

なお、借金を相続放棄し、現金のみ相続する、というように一部の財産だけを引き継ぐことはできません。相続できる遺産の範囲内で借金を引き継ぎたい場合には、相続放棄ではなく、限定承認を選ぶとよいでしょう。
 

相続放棄のデメリット