
▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
損益通算を活用する
FXで損失を出した場合には、確定申告をすることによって損益通算ができます。損益通算とは、複数の所得に利益と損失があった場合に、それらを合算して相殺することです。
ただし、図表1に示すとおり、FXの所得と損益通算ができる取引は、商品先物や日経平均先物など「先物取引に係る雑所得等」の所得が対象です。株式や仮想通貨取引などは、損益通算の対象外となります。
したがって、FXで損失を出した場合で、他の証券会社などで商品先物や日経225オプションで利益が出た場合には、その利益と相殺し、その分税金を安くできます。
損益の繰越控除を活用する
FXで損失を出して、損益通算を行っても、その年の損失を控除しきれない場合には、損失の繰越控除ができます。具体的には、損失を出した翌年以降3年間のわたり、「先物取引に係る雑所得等」の利益と相殺できます。繰越控除の例を、図表2に示しましたのでご覧ください。
なお、通常、雑所得の場合には、他の所得金額との合算後に税額を算出する総合課税ですが、FXの場合には、「先物取引に係る雑所得等」と他の所得と区分され、申告分離課税となります。したがって、個別の所得として税額を算出する必要があります。