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バグダッド旧市街の文化的ストリート

イラクの首都バグダッド旧市街にあるムタナビ通りとラシッド通りは、イラク全土で最も有名なストリートの一つです。特に中世のアッバース朝時代(750年~1258年)から知識人のコミュニティの中心として知られ、多くの著名な詩人や学者が集まり議論を交わす場所として発展しました。「カイロが書き、ベイルートが出版し、バグダッドが読む」という有名なアラブのことわざにも示されるように、学問と文化の交流の場だったのです。

ムタナビ通り

ムタナビ通りは、915年にイラクのクーファで生まれたアラビアの著名な詩人「アブー・タイーブ・ムタナビ」にちなんで名付けられました。ムタナビは文学的な才能で知られ、多くの詩は愛、自然、哲学といったテーマを探求しており、豊かな比喩を用いて表現されていることで今もなおアラビア語圏で広く引用され、多くの文化人に影響を与えています。彼の名からムタナビ通りが名付けられ、文学的自由の象徴となり、今もバグダッドの文化と知識の中心地として多くの書店やカフェ、文房具屋が並びます。

そして、詩人や作家、学生が集まり、意見交換や文化活動が行われているほか、訪れる観光客にとっても重要なスポットです。

アル・ラシード通り

アル・ラシード通りは、アッバース朝のカリフ「ハールーン・アル・ラシード」にちなんで名付けられています。この通りは政治的、精神的、都市的、そして文化的歴史により、バグダッドで最も重要なランドマークの一つとなっています。

また、芸術的、歴史的、そして影響力のある重要性から、パリのシャンゼリゼ通り、カイロのモハメッド・アリ通り、ベイルートのハムラ通りといった世界各地の著名な通りと比較されてきました。その歴史と重要性からユネスコの世界遺産への登録も提案されたほどです。近年、この通りはバグダッドの中心地として認識され、その重要性から「バグダッドの生きた記憶」というニックネームが付けられています。

バグダッド旧市街の歴史的カフェ