相続財産の平均額はどのくらい? 平均額の相続がある場合、どのくらいの「相続税」がかかるの?
人が亡くなると、その遺族などに相続が発生します。相続は突然起きたりすることもあるため、相続する可能性のある財産などを普段からある程度把握できていればよいのですが、それは簡単ではないかもしれません。   本記事では相続に備えるための目安の一つとして、相続財産の平均額や、平均額に対してかかる相続税について解説します。

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相続財産の平均額ってどのくらいあるの?

相続財産(1人の相続人が受け取った遺産)の平均額は、民間が実施している調査ごとに異なりますが、おおよそ2000~3000万円ほどと見られます。
 
ただし、高額な相続を受けた一部の人の相続財産額が、全体の平均を押し上げている可能性があります。そのため、平均値よりも実態に近いとされる中央値で見た場合、一般的な相続財産は1000~2000万円ほどといえるかもしれません。
 
例えば、MUFG資産形成研究所が2020年10月に実施した「退職前後世代が経験した資産継承に関する実態調査」では、「親から自身が相続した財産額」の平均は3273万円、中央値が1600万円と報告されています。
 
この調査における相続財産(平均額)の内訳は図表1のようになっています。
 
図表1

相続財産の種類 財産額 割合
不動産(土地・建物)評価額 1575万円 48.1%
現預金(死亡保険金含む) 1264万円 38.6%
有価証券などの評価額 396万円 12.1%
その他資産の評価額 211万円 6.5%
借入金の額 -174万円 -5.3%

出典)MUFG資産形成研究所 2020年10月「退職前後世代が経験した資産継承に関する実態調査」より筆者作成
 
借入金のようなマイナスの財産があった場合は、不動産や預貯金といったプラスの財産からマイナス財産を引いた額が、相続財産額となります。
 
同調査では親と子の居住地を都市(人口上位6都道府県である東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、大阪府、愛知県)と地方に分けた集計もしています。親の居住地が都市の場合の平均値は4835万円であるのに対し、地方の場合は約2700万円台となっています。都市の不動産評価額が高い傾向にあることが、相続財産の平均額の差にも表れているようです。
 
また、この調査では対象者を、総務省が実施した「平成26年全国消費実態調査」における各都道府県の家計資産額以上の資産保有者としているため、必ずしも一般的な平均金額を反映していない可能性があります。
 
実際、同様の調査で三菱UFG信託銀行が2018年に実施した「遺言と相続に関する実態調査」における相続経験者の実際の平均相続金額は、2114万円となっています。
 

相続税ってどう計算するの?