子どもが「大学院に進学したい」と言い出しました。夫は「4年で卒業して働いた方が稼げる」と言っていますが、「大卒」と「大学院卒」ではどのくらい「生涯賃金」に差があるのでしょうか?
文部科学省の「令和6年度学校基本調査(確定値)」によると、令和6年度の大学への進学率は59.1%に達し、過去最高を更新しました。さらに、大学院への進学率は12.6%でした。つまり、大学を卒業する学生のうち8人に1人は大学院に進学する計算になります。   近年は大学院への進学は珍しくなく、引き続き学び研究したい場合には、進学する学生が少なくないようです。大学院に進学するとさらに学費がかかるので、保護者の方からすれば、4年で卒業して就職した方が生涯賃金が高いのではないかと思うこともあるでしょう。   本記事では、「大卒」と「大学院卒」ではどのくらい「生涯賃金」に差があるのかについて解説します。

▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?

「7割以上」の企業が「初任給」を引き上げ

株式会社産労総合研究所が実施した「2024年度 決定初任給調査」によると、2024年4月新入社員の初任給を前年度から引き上げた企業は、75.6%(前年度68.1%)に上りました。これは1997年度の調査開始以降で最も高く、27年ぶりに70%を超えています。
 
一方、据え置いた企業は16.5%(前年度28.9%)で、引き下げた企業はありませんでした。初任給を引き上げた理由で最も多いのは「人材を確保するため」で、73.5%(前年度70.2%)となっています。次いで「在籍者のベースアップがあったため」が43.4%(前年度49%)、「初任給の据え置きが長く続いていたため」が7.5%(前年度12.2%)です。
 
なお、初任給を据え置いた理由としては、「現在の水準でも十分採用できるため」と「在籍者のベースアップがなかったため」が共に27.9%でした。初任給は増加傾向にあることが分かります。
 

「大学院卒」の初任給は「大卒」より「2万円以上」高い