両親の年収「400万円」、貯金「200万円」で大学進学は可能か
子どもの進学を考える親にとって、大学での教育費はどれほどなのか気になるでしょう。国公立大学の方が私立大学に比べて費用が安いものの、どちらも入学費用や在学費用がかかり、年間で100万円以上の出費につながります。   そこで、今回は国公立と私立大学の入学費用や在学費用を比較し、学費の負担を軽減する制度について解説します。家計の年収と今の貯金額で大学進学が可能なのか不安に思っている方や国の支援制度について知りたい方は本記事を参考にしてください。

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国公立・私立別の入学費用と在学費用の比較

国公立・私立別の入学費用と1年間の在学費用を比較した結果は表1の通りです。
 
表1

入学費用 1年間の在学費用
国公立大学 約67万円 約104万円
私立大学理系 約89万円 約183万円
私立大学文系 約82万円 約152万円

日本政策金融公庫「教育費負担の実態調査結果(令和3年度)」を基に筆者作成
 
表1より、国公立大学の入学費用に比べて私立大学理系は約22万円、私立大学文系は約15万円高くなっています。大学入学は、入学費用のほかにも在学費用もかかり、国公立大学に比べて、私立大学理系は約79万円、私立大学文系は約48万円と高いです。
 
最も費用がおさえられる国公立大学でも入学費用と1年間の在学費用を合わせると、入学する1年目は約171万円かかる計算となり、貯金200万円の約8割を占める出費が予想されます。また、私立大学理系に関しては、入学費用と1年間の在学費用を合わせると約272万円かかり、この金額は貯金200万円の1.3倍にあたります。
 
特に、初年度は入学費用に加えて授業料の支払いもあり、出費が大きいため、年収「400万円」、貯金「200万円」の場合は、奨学金に頼ることで費用の負担を軽減できるでしょう。一般的に、授業料の支払いは前期と後期の2回ですが、大学によっては1年分一括払いするケースもあるようです。
 

大学無償化制度と奨学金制度について