
▼65歳から70歳まで「月8万円」をアルバイトで稼ぐと、年金はどれだけ増える?
定年後の再就職と就業率
総務省の「令和6年版高齢者の就業状況」によると、65歳以上の就業者と就業率は年々増加傾向にあり、定年後も働き続けたいと考える人が多いことが分かります。定年後である65歳以上の労働力人口(働く意思や能力のある人)と就業率を表1でまとめました。
表1
労働力人口比率 | 就業率 | |
---|---|---|
65~69歳 | 53.5% | 52.0% |
70~74歳 | 34.5% | 34.0% |
75歳以上 | 11.5% | 11.4% |
出典:令和6年版高齢社会白書(第2節 高齢期の暮らしの動向(1))より筆者作成
厚生労働省の「令和5年雇用動向調査結果」においても、男性の転職入職率は60~64歳が13.5%、65歳以上で12.6%と高い傾向です。
この背景には、年金制度の改正や健康寿命の延伸、生活費の増大など、さまざまな要因が考えられます。
定年後の働き方の実態
定年後の働き方は、継続雇用や再就職、起業など、多様化しています。厚生労働省の「令和6年高年齢者雇用状況等報告」によると、70歳まで雇用する「高年齢者就業確保措置」の実施企業は31.9%と増加傾向です。
実態として、定年まで働いていた企業で嘱託などで継続雇用されるケースが多いようです。
一方、今まで働いてきた会社を辞めて、別の会社で働く「再就職」という方法もあります。厚生労働省の「令和5年雇用動向調査結果」においても、一般労働者として転職した65歳以上の男性は6.7%であるのに対し、パートなど非正規雇用は19.7%と高い水準でした。
または、自分のスキルや経験を活かして、独立・開業する「起業」を選ぶ方もいます。近年、定年退職後に起業するシニア起業家が増えており、自分のペースで働けるのも特徴です。
そのほかにも、シルバー人材センターを利用したり、ボランティア活動に参加したりするなど、さまざまな形で社会との関わりを持つ高齢者が増えています。