所定のがんと診断された場合に、住宅ローン残高がなくなる「がん団信」や、所定の要介護状態になった場合に住宅ローン残高がなくなる「介護保障団信」、夫婦のどちらかに万一のことがあった場合に、どちらも住宅ローン残高がなくなる「ペア連生団信」などもあります。
さらに、住宅ローン債務者が30日を超えて病気やけがで入院(医師の指示による自宅療養を含む)して働けない場合に、最長3年間などローン返済金相当額が支払われる「債務返済支援保険」や、地震や台風などの自然災害で自宅に被害が出た場合に、住宅ローンの返済の一部が免除される「自然災害時債務免除特約」があります。
また、住宅ローン債務者が「認知症」と診断された場合や、「うつ病」などの特定精神障害により入院、または働けない状態が継続した場合に、保険金・給付金の支払うタイプもあります。
団信の疾病特約は必要?
保障内容を厚くすれば、特約保険料が高くなります。団体信用生命保険の疾病特約の保険料は、0.1%から0.3%金利に上乗せになるため、毎月の住宅ローンの支払額が増えます。
例えば、年0.3%の金利が上乗せされた場合、借入額3000万円、返済期間35年、元利均等返済のケースでは、増加する毎月の返済額は約4000円になります。35年間では約168万円の負担増です。
入院受療率は、年齢階級が上がるほど高くなっています。そのころには、住宅ローンの残高も少なくなっています。筆者個人としては、団信は死亡・高度障害を保障するシンプルなものでよいと考えていますが、自分に合ったものを選びましょう。
出典
公益財団法人生命保険文化センター 団体信用生命保険について知りたい
住宅金融支援機構 フラット35
執筆者:新美昌也
ファイナンシャル・プランナー。
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