80歳母の「介護施設」を探し始めましたが、基本的な知識がありません。親の資産は年金と貯金1000万円、どのように施設を選べばいいですか?
80歳の母親が入所するための介護施設を探し始めたAさんですが、介護施設の基本的な知識がなく、途方に暮れています。親の年金と貯金1000万円、どのような施設の選択肢があるか、FPがアドバイスします。

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介護施設の種類 (公的機関)

介護施設は、大きく分けると公的機関が経営しているところと、民間が経営しているところに分けられます。またそのなかにはで、介護度により利用できる施設が分けられます。公的機関のほうが、民間機関よりも費用が安い傾向があります。
 
特別養護老人ホーム(特養)は、公的機関ですが、耳にしたことがあるのではないでしょうか。費用が比較的安く、原則として要介護3注以上の重い介護状態の人を対象としています。安い(入居費用はかからず、月額費用は6万~15万円)ということで人気があり、地域によっては、待機者が多く、入所までに数年かかってしまうというところもあります。
 
他に公的機関が運営している施設としては、軽費老人ホーム・ケアハウスがあります。軽費老人ホームは、その名のとおり費用が安く、A型、B型、都市型、C型(ケアハウス)の4つがありますが、A型とB型は、現在は、新設を認められていません。C型(ケアハウス)には、「一般(自立)型」と「介護型」の2種類があります。
 
「一般(自立)型」は、家族による援助を受けることが難しく、自立した生活を送ることに不安がある60歳以上(夫婦の場合は、どちらか一方が、60歳以上であれば入居可能)の方が利用できます。受けられるサービスは、生活支援、緊急時の対応です。
 
一方、「介護型」は、介護度1以上の65歳以上を対象としています。生活支援・緊急時の対応の他、介護サービスも受けられます。介護度が上がっても退去する必要はなく、認知症や見取りの対応をしているところもあります。
 

 
注:要介護(1~5)、要支援(1、2)の2種類の認定があります。介護の度合いを客観的に判断し、数値化しているものです。日常生活においてどの程度の介護(介助)を必要とするかを表しています。
 

介護施設の種類 (民間機関)