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肩代わりした500万円は「贈与」になる
贈与とは、自分以外の個人から財産をもらう行為をいいます。
本記事のケースでは、親は子どもの借金を肩代わりしただけです。しかし、子ども自身が返済しなければならない借金を親が代わりに支払うということは、親が子どもに500万円をあげたのと同じ意味になるのです。親が子どもに現金を渡し、子どもはその現金で借金を返したという形になるからです。
そして、親と子どもが違う人間である以上、「親子間だから贈与にならない」ということはありません。
借金の肩代わりにかかる贈与税は約50万円
借金の肩代わりが「贈与」に該当することで発生するのが、「贈与税」です。個人から贈与により財産を取得したときには贈与税がかかると、国の法律で定められています。
そして、「贈与」に該当するのであれば、子どもを離婚から救うためであっても贈与税を回避することはできません。
それでは、500万円の贈与に対してかかる贈与税を計算してみましょう。
(贈与額500万円-基礎控除額110万円)×贈与税率15%(※)-10万円=48万5000円
※贈与税率には「一般税率」と「特例税率」があります。財産を受け取る人が18歳以上、かつ、贈与する人が両親や祖父母などの直系尊属である場合には、税率が優遇された「特例税率」が適用されます。本記事の計算では「特例税率」となります。
500万円の贈与には、約50万円の贈与税がかかります。500万円もらっても、その約1割は贈与税でもっていかれてしまうのですね。
本記事のケースでは、借金の肩代わりによる贈与なので、子ども自身の手元に500万円が残るわけではありません。原資のないところから50万円を支払わなければならない点に注意しましょう。