
▼夫婦2人の老後、「生活費」はいくら必要? 年金額の平均をもとに必要な貯蓄額も解説
老後の退職金と生活費の平均はどれぐらい?
厚生労働省の「令和5年 就労条件総合調査」によると、45歳以上、勤続20年以上で定年退職する場合、退職金の平均額は「管理・事務・技術職」の大学・大学院卒業で1896万円、高校卒業が1682万円、「現業職」の高校卒業で1183万円です。
また、総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」のデータによると、65歳以降に必要な生活費(消費支出と税金や社会保険料の合計)の平均額は、夫婦2人の世帯で28万2497円となっています。
年金だけで生活することは可能?
同調査によると、年金の平均受給額は夫婦二人世帯で月額21万8441円です。この金額は、平均支出に対しておよそ6万4000円不足しています。年間では約77万円の不足となり、貯金が600万円の場合約8年分しかカバーできません。
仮に60歳で定年を迎えた場合、年金の受給開始年齢の65歳になるまでの生活費を確保する必要があります。また、収入が年金のみに限られる場合、平均程度の支出が続けば将来的に不足分を賄えなくなる可能性があり、老後の生活において不安が残ります。
急な出費や物価上昇なども考慮すると、年金だけで生活することは厳しいといえるでしょう。年金受給分だけで不足する場合、貯蓄を取り崩さなければならないでしょう。定年後、ゆとりがある生活を送るためには、退職前に老後資金を少しでも多く確保しておくよう意識する必要があります。