「年収798万円以上の厚生年金保険料引き上げ」にXで不満続出!「年収1000万円」なら、年金を何年受け取ればモトを取れる? 引き上げの背景もあわせて解説
1月中旬以降、年収798万円以上(賞与を除く)の会社員を対象とした厚生年金保険料増額の検討に対し、X上で多くの不満の声が上がりました。   本記事では、厚生年金保険料の仕組みや引き上げ検討の背景を解説するとともに、年収1000万円の人が年金を何年受け取れば元が取れるのかをシミュレーションします。

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厚生年金保険料の仕組み

厚生年金保険は、会社員や公務員が加入する公的年金制度で、給与に応じて保険料が決まります。現状、標準報酬月額(給与を一定の幅で区分したもの)は、1~32までの32等級に区分されており、上限は65万円と決められています。
 
そのため、月収が100万円の人でも、保険料は65万円を基準に計算される仕組みになっています。つまり、高所得の人ほど収入に対する保険料の負担割合が低くなっていたのです。
 
支払った保険料は、将来の年金額に反映されます。しかし、標準報酬月額の上限があるため、月収65万円を超える人は、受け取れる年金額も頭打ちになっています。
 
なお、厚生年金保険料率は18.3%で、事業者と被保険者が半分ずつ負担することになっています(労使折半)。
 

厚生年金保険料引き上げの背景

今回の厚生年金保険料引き上げ検討の背景には、標準報酬月額65万円以上の高所得者に収入に見合った保険料負担を求めることで、年金制度を安定させる狙いがあります。
 
現状では標準報酬月額の上限が65万円となっており、それ以上の収入がある人は相対的に負担が軽くなっています。これを見直し、上限を引き上げることで、標準報酬月額65万円以上の人に収入に見合った保険料を負担してもらい、年金財政を支える方針です。
 
しかし、高所得者の間では「自分たちはすでに十分な額を支払っているのに、さらに負担が増えるのは納得がいかない」といった不満の声も上がっています。特に、年金受給開始前に亡くなった場合や、受給額を十分に受け取れない可能性を考えると、支払う額に対して見返りが少ないのではないかという懸念もあります。
 
さらに、「年金制度の改革よりも、まず無駄な支出を削減するべきではないか」といった声も聞かれます。
 

年収1000万円の人でシミュレーション