
▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
2003年と2025年の初任給の比較
株式会社 産労総合研究所の「2003年 決定初任給調査」によると、2003年の大学卒の初任給は19万8635円、高校卒は15万8601円でした(一律に初任給決定をしている企業の場合。以下同じ)。
一方、同社の「2024年度 決定初任給調査」によれば、大学卒の初任給は22万5457円、高校卒が18万8168円という結果です。2003年と2024年を比較すると、約21年間で大学卒は約2万7000円、高校卒で約3万円増加したことになります。
さらに、株式会社データバンクの「初任給に関する企業の動向アンケート(2025年度)」によると、「企業の7割が2025年の初任給を引き上げ、平均引き上げ額は9114円」という結果が出ています。
2024年度の初任給に9114円を足すと、大学卒で23万4571円、高校卒で19万7282円となります。2003年度との差は、大学卒で約3万6000円、高校卒で約3万9000円です。
物価上昇や生活コストの変化を考慮すると、「絶望的」とまではいえないかもしれません。ただしデータ上、約22年間で初任給は上昇していることが分かります。
では、氷河期世代は現在と将来をどのように考えればよいのでしょうか。
就職氷河期世代の現在と将来
就職氷河期世代は社会に出た時期の影響もあり、キャリアや生活設計において課題を抱えているかもしれません。そのような世代にとって、自分の強みを生かしながら、柔軟なキャリア設計を考えることが大切です。
まずは今までのスキルを見直し、自己投資を検討しましょう。新たな資格取得やスキルアップにより、転職や昇進のチャンスが広がるため、収入が増加する可能性があります。
また、資産運用や老後の生活設計も早めに取り組みたい課題です。定年までの時間が限られているなかで、リスクとリターンを考慮した資産運用を検討し、将来の生活に備えることが求められます。
健康管理も大切です。健康で働き続けられれば、医療費の負担が軽減し、労働収入を維持できます。定期的な健康診断、適度な運動、バランスの取れた食事を心掛け、心身の健康を保つように努めましょう。
最後に、家族や周囲のサポートを積極的に活用することも大切です。家族とのコミュニケーションを深め、経済的・精神的な支え合いを築くことで、困難な状況でも前向きに取り組むことができるでしょう。