
▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
蓄えがあるのに投資をする必要はある?
ある程度、預貯金などの蓄えがある人の中には、投資に懐疑的な人もいるかもしれません。
一般に預貯金は、銀行や郵便局にお金を預けておくもので、元本が保証され、わずかながら利子もつくので、安全性は高いと言えるでしょう。
ただ、預貯金だけでは、インフレ(インフレーション)によって実質的な購買力が低下し、資産が目減りするリスクがあることは知っておく必要があります。インフレとは、物価が上昇してお金の価値が下がる現象です。例えば、現在の100万円が10年後の100万円と同じ価値を持つとは限りません。
一方、投資は、株式や投資信託、不動産などにお金を投じて資産を増やすことを目的とする手段です。投資には元本割れのリスクがありますが、大きなリターンを得られる可能性もあります。
特に株式や投資信託は、経済成長や企業の利益拡大に伴い、資産価値の上昇を見込むことができます。また、配当金や分配金といった定期的な収益を得られる点も魅力と言えます。
若いうちから投資を始めるべき理由
投資の大きなメリットは、複利効果を活用できることです。複利とは、運用で得た利益を再投資し、それがさらに利益を生む仕組みです。
例えば、10万円を年5%の想定利回りで運用した場合、20年後には元本の2倍以上の26.5万円になります。若いうちに始めると、運用期間を長くできるため、この複利効果を最大限活用できます。
もちろん、投資には価格変動や元本割れなどのリスクがありますが、これらは分散投資や長期運用によって軽減できます。分散投資とは、異なる種類の投資商品にお金を分けて投じることでリスクを分散させる方法です。また、安心して運用を続けるために、自分のリスク許容度に合った商品を選ぶことが大切です。
なお、若い世代であれば、万一損失を出しても、その後の長い期間で取り戻すチャンスがあります。リスクを取った投資を行うことで、高いリターンを狙うことができるのも若い時期の特権かもしれません。さらに、早めに投資を始めることで、経験を積んで経済や市場の動きに慣れ、投資スキルも向上することでしょう。