もうすぐ40歳、新卒で入った会社から転職しようか迷っています。転職すると「退職金」にどのくらい影響がありますか?
Aさんはもうすぐ40歳、新卒で入った会社から転職しようか迷っているとのこと。しかし、勤続年数は退職金に影響があると聞き、「今の会社に大きな不満があるわけではないので、退職金があまりに減ってしまうなら転職しないほうがいいのでは」と考えているそう。どのようにしたらいいかFPがアドバイスします。

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退職金とは

退職金とは、従業員が退職する際に、働いた年数や在職期間中の業績などに応じてその従業員に対しての功労の意味、あるいは定年退職であれば老後の生活保障の意味合いとしてのものです。法律上の支給義務はありませんが、日本国内では多くの事業者が退職金制度を導入しています。
 

退職金制度の仕組みは?

一般的に退職金制度には、一括で受け取る一時金方式と分割して受け取る年金方式があり、それぞれに事業者独自のもの、外部を利用してのものがあります。図にすると以下のようになります。
 

 
この制度は1つ、あるいは複数選択できます。また、従業員が選択できる場合もあります。
 

退職金のメリットは?

退職金のメリットを事業者側から見ると、退職金制度を導入によって従業員の勤続年数を延ばし、離職率を下げる効果が期待できます。当然金銭面での負担はありますが、その分優秀な人材を採用や離職率の低下による採用コストや教育コストの削減につながります。
 
従業員側のメリットは、将来(老後)の生活設計が立てやすくなったり、Aさんの会社のように勤続年数によって退職金額が増えたりするというメリットがあります。
 

どれくらいもらえるの

厚生労働省の令和5年就労条件総合調査概況によると、退職金がある定年退職者の勤続年数別の平均退職給付額(勤続20年以上かつ45歳以上の定年退職者)は以下のとおりです。
 

 
あくまで平均ですので企業の規模や業種等によって異なりますが、就業年数が長いほうが退職金は多くなる傾向にあります。
 

退職金に係る税金は?