都内に築40年の実家があります。好立地なのでリフォームをして活用したいのですが、贈与税を払いたくない……建物部分だけ生前贈与すればいい?
都内の好立地に実家があるAさん。築40年以上たっていますが、リフォームして家の一部を活用したいと考えています。しかし、親名義の家をリフォームすると贈与税がかかると聞き、建物部分だけ生前贈与すれば節税になるのではないかとのこと。実際にはどうなのでしょうか?

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親の実家をリフォームするなら、まず専門家に相談するのがベスト

親名義の家のリフォーム費用を子が支払った場合は、金額にもよりますが贈与税がかかるケースも考えられます。税金がかかる、かからないについては自己判断せず、税理士等の専門家に確認することが大切です。
 
せっかくの好立地を生かして活用したいとのことなので、どのようにしたらいいか一緒に考えてみましょう。
 

親の思いに寄り添っていますか?

親世代は、高度経済成長の中で当時の金利を考えれば、家2軒分の住宅ローン等を支払っていたことが推察されます。家族のために一生懸命働いて守ってきた家を、今後どのように引き継いでほしいのか、親子仲良く“ケーキが食べられる”今のうちに話し合っておくことが重要です。
 
Aさんは、リフォーム費用を負担すると親に贈与税がかかることを心配されていますが、もしかしたら親は認知症になる前に売却して施設へ入る費用として検討されているかもしれません。
 

相続より贈与のほうが税金は高い

建物の名義変更をしてリフォームする場合で注意しなければならないのが、不動産登記に必要な登録免許税や不動産取得税です。相続の場合の登録免許税は0.4%、不動産取得税は非課税に対して、贈与の場合の登録免許税は2%、不動産取得税は3~4%です。
 
また、相続まで待てば小規模宅地の特例などで土地を80%減で評価できたにもかかわらず、生前贈与を受けてしまうとその評価減のメリットを受けられなくなるケースもあります。
 
令和5年の相続税および贈与税の改正により、「生前加算贈与」によって、相続税の計算に含められる贈与の範囲が広がりました。ご家族のご年齢や贈与のタイミングによってケース・バイ・ケースなので、一概に生前贈与が危険ということではありませんが、目先の税金を考えるだけでなくトータルで事前に検討をする必要があります。
 
(出典:国税庁「令和5年相続税及び贈与税の改正のあらまし」)
 

賢くリフォームして健康寿命を延ばそう