
▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
早期退職とは?
早期退職とは、定年を迎える前に従業員が退職できる制度です。早期退職には、従業員が選択した年齢で希望して早期退職できる「選択定年制度」と、業績悪化などにより企業が早期退職希望者を募集する「早期希望退職制度」の2種類があります。
早期退職が始まった理由として、「終身雇用の衰退」があるともいわれています。人員整理により人件費の削減ができるだけでなく、高齢の社員が退職することで新しい人材の登用が進み、組織の若返りに期待できるのです。
また、早期退職の実施により、従業員のキャリア形成支援に取り組む積極的な企業として評価を受ければ、企業のイメージアップにもつながる可能性があります。
東京商工リサーチの調査によると、2024年1月から9月の間に早期・希望退職募集を行った上場企業は46社であり、前年同期の1.5倍(30社)でした。
退職者側が受ける早期退職のメリット
早期退職で受けられるメリットは「退職金の優遇」だと考えられます。一般的に、定年でもらえる予定の退職金に一定額を加えて支給されることが多いためです。
人事院がまとめた「令和3年民間企業の勤務条件制度等調査(民間企業退職給付調査)」によると、企業規模が1000人以上の場合、退職金の年齢別平均割増率は45歳が95.0%、50歳は65.7%、55歳は47.9%という結果でした。
また、退職金を上乗せしてもらうことで金銭的な余裕が生まれ、別の道へ進むためのセカンドキャリアを後押しするきっかけになることもあるでしょう。