カフェで席に「ハンカチ」を置いて注文へ→戻ってきたら「忘れ物かと思った」とハンカチをよけられ、別の人が座ってた! この場合、自分が座ることはできる? 盗難リスクについても解説
外出先で休憩するために、カフェに入るという人は多いでしょう。カフェで席を確保するなら空いている席に私物を置くのは一般的ですが、それでも、表題のように私物を勝手に移動され、席を横取りされてしまうケースも少なくありません。   本記事では、私物を置いて確保していた席を取られた場合、席に座る権利は誰にあるのかを解説します。興味を持った人は参考にしてください。

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私物を置く席取りは法的にも有効

結論としては、私物を用いた席取りは法的にも有効です。正確には、占有権を取得したと評価できる場合に認めてもらえます。
 
占有権とは、自己のために物を所持する状態を保護する権利のことです。占有権は「自己のためにする意思をもって物を所持することによって取得する」と民法180条で定められています。
 
条文の「所持」は、物に対する事実上の支配を指しますが、事実上の支配の有無は、基本的に社会通念、つまり常識によって決定されます。
 
日本において、店舗側が席取りを明確に禁止しているケースを除いて、私物を置いて席を確保することはごく一般的です。そのため、法的にも有効と判断してもらえる可能性があります。
 

私物を勝手に動かされたあげく、席を横取りされたらどうすればいい?

私物を置いて席を確保するのは、法的にも有効でしょう。そもそも、勝手に私物を動かすのも、所有者の権利を侵害したととられかねない行為です。
 
しかし、権利を主張して自力で取り返す行為は自力救済、つまり違法行為と判断されてしまいます。
 
民法200条では、「占有者がその占有を奪われたときは、占有回収の訴えにより、その物の返還及び損害の賠償を請求することができる」と定められていますが、席を取り返すために裁判を起こすのは、現実的な案とは言い難いです。
 
そのため、席を取り返したい場合は、店員に仲裁してもらいながら権利を主張するのがベストでしょう。
 

席を確保するために置いていた私物が盗まれたら?