
▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
不動産の売却方法は主に2つ
不動産を売却する方法には、大きく分けて「買取」と「仲介」の2種類があります。「買取」とは、不動産会社自体が買主になって売主から直接買い取る方法です。一方の「仲介」は、不動産会社が広告やポータルサイト、現地見学会などを通じて、不特定多数の人から買主を募り、売主との契約をあっせんします。
ほかにも、不動産会社を通さず、個人で買主を探して売却する個人間売買もあります。しかし、不動産の契約に関する専門的な知識などが必要となるため、普通の人であれば、買取か仲介を考えるのが無難でしょう。
買取のメリット・デメリットは?
今回のように、不動産会社から申し入れがあった「買取」の主なメリット・デメリットから見ていきましょう。まず、買取の最大のメリットは、短期間ですぐに売却が終わることです。そのため、急いで不動産を現金化する必要がある場合などは、メリットが大きくなります。
また、仲介の場合に必要な「仲介手数料」を支払う必要がありません。仲介手数料とは、仲介における不動産会社への成功報酬のことです。
400万円を超える売却なら、仲介手数料は売却価格の「3%+6万円」が上限で、消費税もかかります。そのため、売却価格が2000万円の場合、仲介手数料として72万6000円ぐらいの支払いを考えておかなければなりません。一方、買取は不動産会社自身が買主になるため、仲介手数料は不要です。
逆に最大のデメリットは、仲介での売却価格に比べ、不動産会社の買取価格のほうが安くなりがちなことです。物件によっても異なりますが、一般的に不動産会社の買取価格は、仲介での売却価格に比べ、60~80%程度と言われています。
そのため、不動産会社が「2000万円で買う」と言った場合は、仲介での売却なら2500万~3300万円程度で売れる可能性もあります。仮に2500万円で売れた場合の仲介手数料は2500万円×3%+6万円に消費税を加えた90万円程度ですから、手元に残る金額で考えても圧倒的に仲介が有利です。
これは、買取がリフォームなどの手を加えた上で、不動産会社の利益を上乗せして再販売するビジネスモデルであることに起因しています。つまり、仕入れにあたる買取時の価格はどうしても抑えられる傾向になるからです。
そのため、不動産会社から買取の申し出があったとしても安易には判断せず、自分にはどちらの販売方法がいいのか、状況にあわせて選択することが大切です。