定年後の再雇用で収入が減るのに「厚生年金保険料」を払う意味はあるのでしょうか?70歳まで働き続けた場合、どのくらい年金が増えますか?
65歳以降も働くのか、65歳からは年金収入のみで生活するのかを悩む方もいるでしょう。もし65歳以降に働いて厚生年金に加入していると、年金が増える可能性がある一方で注意点も存在します。   人によっては、想定よりも年金額が増えないと感じるケースもあるので、65歳以降も厚生年金に加入したときの扱いを知っておきましょう。今回は、65歳以降も働き続けたときの厚生年金についてご紹介します。

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65歳以降も厚生年金に加入し続けるメリットは?

定年後も働き続けた場合の年金額は、65歳以降の給与収入によって増える可能性があります。老齢厚生年金は厚生年金への加入期間によって変わるためです。
 
老齢厚生年金は、ほかに加算がなければ基本的に報酬比例部分から求められます。日本年金機構によると、厚生年金に平成15年4月以降に加入しているときの報酬比例部分は、「加入月数×0.005481×平均標準報酬額」です。そのため、加入月数が多いほど金額も多くなります。
 

65歳以降も厚生年金に加入するときの注意点

もし総報酬月額相当額と老齢厚生年金の基本月額が50万円(令和6年度の支給停止調整額)を超えていると、「在職老齢年金」として超えた金額に応じて老齢厚生年金が支給停止されます。日本年金機構によると、支給停止されたあとの支給額は「基本月額-(基本月額+総報酬月額相当額-50万円)÷2」です。
 
基本月額とは老齢厚生年金の月額、総報酬月額相当額は収入を基に決められるその月の標準報酬月額に、標準賞与額の月額平均を足した金額を指します。
 
そのため、もし支給停止になる基準額を超えていない範囲で収入があれば、働いた期間分だけ年金額も増加するでしょう。しかし、支給停止の対象になると、その減額分だけ受け取れる年金額が少なくなる可能性があります。
 

定年後も働くと年金額はいくらくらい増える?