しかし、貸主側が通常の経年劣化まで請求している場合、それは不当請求の可能性があります。この点をしっかり確認しましょう。
 

退去費用を減らすためにできること

退去費用をできるだけ抑えるためには、事前にいくつかの対策をしておくことが重要です。
 
まず、退去する前に部屋をしっかり掃除することで、クリーニング費用を軽減できる可能性があります。特に、水回りやキッチンの油汚れ、浴室のカビなどは、放置すると通常のクリーニングでは落ちにくくなり、追加費用がかかる原因になります。自分で落とせる汚れは事前に掃除しておきましょう。
 
また、壁の小さな穴や傷などは、修繕キットを使って自分で直せる場合があります。特に、画びょうやネジの跡は、市販の補修材を使えば簡単に補修できるため、業者による修繕費を削減できる可能性があります。
 
さらに、退去前に契約書を見直しておくことも大切です。クリーニング費用や修繕費の負担について具体的な記載があるかどうかを確認し、納得のいかない請求があれば、事前に管理会社に問い合わせてみましょう。
 

納得できない請求にはどう対処する?

「本当にこの費用を支払う必要があるのか?」と疑問に思った場合、以下の対応を行いましょう。
 

1.請求内容の詳細を確認する

まず、請求書の内訳を確認し、何にどれだけの費用がかかっているのかを把握しましょう。納得できない項目があれば、具体的な根拠を求めることが大切です。
 

2.ガイドラインと照らし合わせる

国土交通省が定める「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」には、借主が負担すべき範囲と貸主が負担すべき範囲が明確に示されています。このガイドラインと照らし合わせ、不当な請求がないかチェックしましょう。
 

3.管理会社や貸主と交渉する

不当な請求がある場合、管理会社や貸主に交渉することで減額されるケースがあります。特に、「ガイドラインに基づいて考えると、これは貸主負担ではないでしょうか?」と冷静に伝えることで、相手も対応を見直す可能性があります。