毎月の生活が苦しいので「生活保護」を受けているシングルマザーです。教育資金を貯めておきたいのですが…受給中の「貯金」はダメでしょうか?
日本には、経済的に苦しく生活を送ることが困難な人を保護するための「生活保護制度」があります。受給するためにはさまざまな条件を満たしている必要があるため、中には「生活保護を受けている間は貯金してはいけない」と思っている人もいるでしょう。   今回の事例のように「シングルマザーなので生活保護を受けながら教育資金を貯めたい」というときはどうすればいいのか、確認しておきましょう。   本記事では、生活保護の概要を始め、受給中の貯金について詳しく解説します。

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生活保護を受けていても貯金はできる?

生活保護は最低限の生活を送るために必要な費用が支給される制度なので、「保護を受けながら貯金することは認められていない」と思われる可能性があります。しかし、規則や法律などで禁止されていないため、生活保護をもらいながらやり繰りして貯金することは基本的に問題ないといえるでしょう。
 
実際に、厚生労働省の「生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて」には、預貯金が生活保護受給開始時に保有していたものではなく、不正な手段で貯めたものではないと判断できる場合は、保有してもいい旨が記載されています。ただし、貯金の使用目的を確認し、生活保護の趣旨目的に反しないと認められる場合に限るということです。
 
今回の事例は「シングルマザーで子どもの教育資金を貯めたい」ということですが、これについても「生活保護の趣旨目的に反しない」と判断できるため、保有が認められると考えられます。
 

生活保護受給中に貯金する場合の注意点

生活保護受給中に貯金するにあたって、注意点を確認しておきましょう。
 
まず、貯金の上限額については法律では明確に決められていませんが、自治体によっては決められているところもあるようなので、事前に確認が必要です。個別に判断される場合もあるため、担当のケースワーカーに相談してみるといいでしょう。
 
また、生活保護受給中に保有することが認められていない物品を購入するために貯金している場合などは「最低限度の生活を維持するために必要な資産」とみなされず、保護が打ち切られる可能性もあるので注意が必要です。生活保護受給中の貯金はケースワーカーに申告しなければならないため、タンス預金などで隠すようなことはしないようにしましょう。
 

生活保護を受給するための条件とは?